トグルクランプとは?固定力の原理・種類・用途をわかりやすく解説

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トグルクランプ(Toggle clamp)は、レバー操作によって強力な固定力を得られる機械式クランプです。

治具・加工機・組立装置などでワークを素早く固定するために使用され、作業効率と安全性の向上に大きく貢献します。

この記事では、トグルクランプの仕組み、固定力の原理、種類、用途、選び方をわかりやすく解説します。



トグルクランプとは?

トグルクランプは、てこの原理とリンク機構を組み合わせることで、少ない力で大きな固定力を得られる治具部品です。

主な特徴:

  • ワンタッチで強力に固定できる
  • 再現性が高く、作業品質が安定
  • 加工治具・組立ラインで広く使用
  • 構造がシンプルでメンテナンス性が高い

固定力が強い理由(トグル機構の原理)

トグルクランプは、3点リンクが一直線になる瞬間に無限大の理論固定力が得られるという特性を利用しています。

仕組み:

  • レバー操作でリンクが伸びる
  • リンクが一直線に近づくと力が急増
  • 一直線をわずかに超えるとロック状態になる

このため、軽い力でも高い保持力を得られます。

トグルクランプの種類

① 垂直ハンドルタイプ

レバーが垂直に立ち上がるタイプ。

汎用性が高く、多くの治具に使用。

② 水平ハンドルタイプ

レバーが水平に倒れるタイプ。

上方向のスペースが少ない場所に最適。

③ ストレートラインタイプ

押し引きで直線方向に力を加える。

押し込み・位置決めに利用。

④ プッシュプルタイプ

押す・引くの両方が可能。

多用途で、組立工程に便利。

⑤ ブランチタイプ

複数のクランプバーでワークを保持。

大型ワーク向け。



用途(どんな現場で使われる?)

  • 加工治具(フライス盤・ボール盤・溶接治具)
  • 組立ラインでのワーク固定
  • 検査治具・測定治具
  • 搬送装置の位置決め
  • カバーや扉の仮固定

選定ポイント

  • 保持力(必要荷重に 2〜3 倍の余裕)
  • ハンドルの動作方向(上下・前後)
  • ストロークとクランプバーの長さ
  • 取付方向(左・右・上面・側面)
  • 油・切粉・粉塵への耐性

よくあるトラブル

  • ガタ発生 → リンク摩耗・軸ピンの緩み
  • 保持力不足 → 選定誤り・リンクの変形
  • 動作が重い → 潤滑不足・汚れの付着

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まとめ

トグルクランプは、軽い力で強い保持力を生み出す便利な機械要素です。

  • リンクが一直線を超えることで強力にロック
  • 水平・垂直・直線タイプなど種類が豊富
  • 加工・組立・検査治具に欠かせない存在
  • 保持力・ストローク・油環境の有無で選定する

治具製作や装置設計の現場では非常に重要な要素となります。



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