ウェッジ締結とは、**くさび(ウェッジ)形状を利用して摩擦力で部品を固定する締結方式**です。
キーやボルトとは異なり、摩擦力を主役とするため、軸とハブの高精度な固定や位置決めに使われます。
この記事では、ウェッジ締結の仕組み、メリット・デメリット、代表例、現場での注意点をわかりやすく解説します。
ウェッジ締結とは?
ウェッジ締結とは、
傾斜角を持つ部品を押し込むことで、接触面に大きな摩擦力を発生させて固定する方式
を指します。
「くさび効果」により、比較的小さな締付力で大きな固定力を得られるのが特徴です。
ウェッジ(くさび)の原理
ウェッジは、力の向きを変換する単純機械です。
- 軸方向の押込み力 → 面圧+摩擦力
- 傾斜角が小さいほど自己保持性が高い
- 摩擦係数が重要な設計要素
一定条件下では、**外力が加わっても戻らない(自己保持)**状態になります。
代表的なウェッジ締結の例
① テーパロックブッシュ
テーパ形状のブッシュを押し込んで、軸とハブを摩擦固定。
② テーパピン
位置決めと同時に摩擦力で固定。
③ ウェッジキー
キーに傾斜を持たせ、打込みで固定力を発生。
④ 摩擦式軸継手
ボルト締結でウェッジ効果を利用。
ウェッジ締結のメリット
- 高い固定力を得られる
- バックラッシが発生しにくい
- 繰返し位置決め精度が高い
- キー溝不要な場合もある
ウェッジ締結のデメリット
- 摩擦条件に性能が左右される
- 締付力管理が重要
- 焼付き・かじりのリスク
- 分解時に固着しやすい
設計・使用時の注意点
① 表面粗さと摩擦係数
表面が滑りすぎると固定力が不足。
② 過大な締付けに注意
変形・割れの原因になる。
③ 分解性を考慮
引抜きボルトやスリット設計が有効。
④ 潤滑の扱い
基本は「乾式」。潤滑すると摩擦力低下。
キー締結・ボルト締結との違い
| 項目 | ウェッジ締結 | キー締結 | ボルト締結 |
|---|---|---|---|
| 固定原理 | 摩擦 | せん断 | 軸力 |
| バックラッシ | 小 | 発生しやすい | 条件次第 |
| 加工 | 比較的簡単 | キー溝加工必要 | 穴加工 |
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まとめ
ウェッジ締結は、摩擦力を活用した高精度・高固定力の締結方式です。
- くさび効果で大きな固定力を発生
- バックラッシが少なく位置決め精度が高い
- 摩擦条件と締付管理が重要
正しい設計と管理で、非常に信頼性の高い締結が可能です。












