駆動部品のメンテナンスには、大切な要素が3つあります。
その3つの要素とは、清掃、給油、部品交換です。
このページでは、駆動設備・駆動機械の部品メンテナンスの3要素、清掃、給油、部品交換について解説します。
はじめに。用語解説
駆動設備・駆動機械とは
駆動設備・駆動機械とは、何かを回転させたり、移動させたりする設備や機械のことです。
工場の中には、1つの工程であっても生産品が動き、流れるように完成品に近づいていきます。また、工程と工程の間を繋ぐ搬送設備も駆動設備・駆動機械の一種だと言えます。
代表的な設備・機械としては、コンベアが挙げられます。コンベアは、モーターや減速機の動力を利用して、モノを搬送するために用いられます。
駆動部品とは
駆動部品とは、駆動設備や駆動機械を構成する部品で、駆動部分に用いられる部品のことです。
先に挙げたコンベアであれば、動力源となるモーターや減速機をはじめ、回転軸となるシャフト、シャフトを安定的に回転させる軸受け(ベアリング)、コンベアに動力を伝えるスプロケットやチェーンなどがあります。
メンテナンスとは
メンテナンスとは、機械や設備を保守、維持、管理することです。
メンテナンスと英語での言葉になるため、曖昧であることがありますが、継続的に稼働させるための手段と考えていただけるとよいかと思います。
駆動部品のメンテナンス
動きがある駆動設備や駆動機械が壊れてしまう原因の多くは、駆動部品のメンテナンス不良や破損だと言われています。
駆動部品が良い状態を保つために清掃を行い、干渉による破損や焼付を防止する給油・給脂、破損や不良が確認できたときには部品交換が必要となります。
清掃
駆動部品は定期的に清掃する必要があります。クリーニング作業とも呼ばれます。
クリーンルームであればチリやごみが少ないため、清掃の頻度が少なくなりますが、通常の工場であれば空気中のチリやごみが必ず備品に付着してしまいます。
その他にも、部品同士が干渉しあい、微量の金属粉が出てしまうこともあります。
それらの塵やごみ、金属粉が駆動部品に付着していると部品の破損や故障の原因になるため、定期的な清掃が必要となります。
駆動部品の清掃には、パーツクリーナーと呼ばれる洗浄・脱脂材を用いて、その後に綺麗に拭き取ることが一般的です。
また、一度、清掃により油脂がなくなった駆動部品には、潤滑油を補給する給油・給脂を必ずするようにしてください。
給油・給脂
駆動部品は常に干渉をし続ける部品であるため、摩擦や摩耗が起きてしまいます。そのため、摩擦や摩耗を最小限に抑えるために潤滑剤が必要となります。かじりや焼き付きを防止する役目もあります。
その潤滑剤を補給する作業を給油や給脂といいます。他にもグリースアップと言われることもあります。
給油・給脂には、ただ単に油を注せばいいということではなく、その駆動部品に適した潤滑油を、適した量、適したタイミングで、適した方法で給油・給脂することが必要となります。
種類や量、タイミング、方法をどれか間違えてしまったら給油・給脂の効果が薄れてしまいますので注意が必要です。
一番手間になるメンテナンスであると言えるかと思います。
これらが適切にできない場合は、自動給油装置・自動給脂装置を検討することも1つの解決策になるかもしれません。
部品交換
清掃や給油・給脂の際に、部品の破損や損傷が確認されたら直ちに部品交換をする必要があります。また、定期メンテナンスでなくとも、異常音や違和感を感じた場合は、部品を目視確認して、部品交換をすべきか否か、チェックすべきです。
工場の多くでは、部品交換は壊れてから、異常が見つかってからというケースが多くあります。
部品の寿命を把握して、何年かに1度は、異常が確認できなくても交換することができれば、万が一の場合に生産が完全にストップすることもありません。
また、駆動部品は保全用の部品として常に在庫を持っておくことも必要ではないでしょうか。
まとめ
いかがでしたでしょうか。駆動部品のメンテナンスについて解説してまいりましたが、皆さんの現場では適切な清掃・給油/給脂・部品交換ができているでしょうか。
部品メンテナンスに興味を持っていただいている方がこのページに訪れていただいていると思います。
是非、もう一度、駆動部品のメンテナンスについても深く考えていただき、トラブルのない設備・機械運用を行ってください。