
足元の安全を守るために欠かせないのが安全靴・作業靴です。
重量物の落下や滑り事故など、現場ではさまざまな危険が潜んでいます。
本記事では、安全靴の種類・構造・規格、さらに主要メーカーと選び方のポイントをわかりやすく解説します。
安全靴と作業靴の違い
「安全靴」と「作業靴」は似ていますが、規格上の違いがあります。
分類 | 特徴・用途 | 代表的な規格 |
---|---|---|
安全靴 | つま先に鋼製または樹脂製先芯を備えた靴。重量物・衝撃に対応。 | JIS T 8101(安全靴規格) |
作業靴 | 軽作業向けの靴。滑り止めや通気性を重視。つま先保護がないものも多い。 | JSAA認定規格(プロテクティブスニーカー) |
安全靴の構造
- 先芯: 鋼製・樹脂製などがあり、つま先への衝撃を防ぐ。
- アッパー: 革・合成皮革・メッシュなど。耐久性や通気性に影響。
- ソール: ゴム底・ウレタン底など。耐滑・耐油・耐熱性能を左右。
- 中敷き: クッション性や抗菌・消臭機能で快適性を向上。
安全靴の種類
用途や作業環境に応じて、安全靴には複数のタイプがあります。
種類 | 特徴・用途 |
---|---|
短靴タイプ | 履きやすく、一般作業に適する |
中編上靴 | 足首を保護し、ホコリ・切粉・火花対策に有効 |
長編上靴(ブーツ) | 溶接・屋外作業・油や水が多い現場向け |
スニーカータイプ | 軽量で通気性に優れ、物流・軽作業に最適 |
規格と性能区分(JIS T 8101)
日本工業規格(JIS T 8101)では、安全靴の性能を以下の区分で定義しています。
区分 | 用途 | 耐圧迫強度 |
---|---|---|
S種 | 重作業用(建設・製鉄など) | 10kN |
L種 | 軽作業用(物流・組立など) | 4.5kN |
F種 | 非常に軽量な作業向け | 2.5kN |
選び方のポイント
- 作業環境: 屋内/屋外、乾燥/湿潤環境で必要性能が異なる
- 素材: 革=耐久性重視、合成皮革=軽量、メッシュ=通気性重視
- ソール性能: 耐油・耐熱・静電防止など用途に合わせて選ぶ
- サイズ感: 長時間作業を考慮し、ややゆとりのあるフィットが理想
主要メーカーと特徴
ミドリ安全
日本を代表する安全靴メーカー。JIS・JSAA両規格対応モデルが豊富で、快適性と耐久性を両立。
アシックス(ASICS)
スポーツシューズの技術を応用。軽量でクッション性が高く、物流や製造現場で人気。
シモン(Simon)
高品質の革製安全靴で有名。高耐久でプロ仕様の現場に多く採用。
ドンケル(DONKEL)
日本最古の安全靴メーカー。消防・鉄鋼業界向けの特殊靴も展開。
ユニワールド・ジーベック
スニーカータイプの軽作業靴に強み。デザイン性を重視したモデルが豊富。
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Q&A
Q. 安全靴の寿命はどのくらい?
A. 一般的には6か月〜1年が目安。ソールの減りや先芯の歪みが見られたら交換時期です。
Q. スニーカー型でも安全靴と呼べますか?
A. JSAA認定を受けたプロテクティブスニーカーであれば、安全靴相当の性能があります。
Q. 夏場の蒸れを防ぐには?
A. メッシュタイプや通気孔付きのモデルを選ぶほか、吸湿速乾インソールの併用が有効です。