回転計(タコメータ)の基礎知識|種類・測定方法・主要メーカーまとめ

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回転計(タコメータ、Tachometer)は、モーター・ファン・ポンプなどの回転数を測定するための装置です。

回転速度を数値で把握することで、設備の性能維持や異常診断、制御調整などに役立ちます。

本記事では、回転計の種類、測定原理、使い方、そして代表的なメーカーをわかりやすく解説します。




回転計(タコメータ)とは?

回転計は、軸や回転体の速度(rpm: rotations per minute)を測定する計測器です。

モーターやファンなどの機械回転部品の点検・保守・制御調整に欠かせない基本測定機器です。

主な用途

  • モーターやファンの回転数測定
  • ポンプ・ブロワの性能診断
  • ベルト駆動・カップリングのすべり確認
  • 生産ライン設備の回転速度校正
  • 試験機・研究用途での回転制御

回転計の種類

大きく分けて「接触式」と「非接触式」の2タイプがあります。

① 接触式タコメータ

測定軸に先端ローラーを接触させて回転数を検出するタイプ。

構造がシンプルで高精度ですが、接触による摩耗や安全面の配慮が必要です。

  • 特徴:高精度、低速回転測定に最適
  • 欠点:接触部摩耗、回転物への接触リスク

② 非接触式タコメータ(光学式)

レーザー光や赤外線を照射し、反射光の周期から回転数を求めるタイプ。

安全かつ非接触で高回転を測定でき、保守現場で広く使われています。

  • 特徴:非接触・安全・高回転対応(最大100,000rpm以上)
  • 欠点:反射テープが必要、強光下では誤差が出やすい

③ パルス式・センサー内蔵型

設備に取り付けて連続的に信号を出力するタイプ。

PLCや制御装置と連動して自動監視や速度制御に利用されます。

  • 特徴:設備組込み向け、連続監視に最適
  • 欠点:初期取付工事が必要

測定原理

  • 機械式: 接触ローラーの回転を内部ギアでカウント
  • 光学式: 反射光の周期をフォトセンサーで検出
  • 電磁式: 磁気パルスから回転周波数を検出
  • デジタル式: 光電/磁気信号をデジタル変換し表示

使用手順(非接触式タコメータの場合)

  1. 測定対象の回転軸やプーリーに反射テープを貼付
  2. 測定距離(約50〜500mm)を保ち、センサーを向ける
  3. 測定ボタンを押してrpmを表示
  4. 複数回測定し、平均値で安定性を確認

代表的な異常検出例

異常現象 回転変化の特徴 主な原因 対策
回転数が低下 定格値より5〜10%低下 ベルトすべり・負荷過大 張力調整・清掃
回転数のばらつき rpm値が不安定 電源不良・軸ずれ・制御異常 整流器点検・芯出し
高回転異常 設定値超過・振動増大 制御系故障・誤信号 速度制御点検・電気回路確認

主要メーカーと代表機種

KEYENCE(キーエンス)

非接触型回転計・レーザーセンサーの分野で高精度かつ多機能。

産業用自動測定ラインにも多数採用。

HIOKI(日置電機)

保守・メンテナンス現場向けに人気の高い国産メーカー。

デジタル回転計や接触式モデルが豊富です。

小野測器(ONO SOKKI)

回転・振動測定機器の国内トップメーカー。

研究・試験用途からライン監視まで幅広く対応。

三和電気計器(SANWA)

コストパフォーマンスに優れた汎用回転計を展開。

小規模現場やDIY計測にも適しています。

活用のポイント

  • 定期測定で回転数トレンドを管理し、劣化傾向を把握。
  • 振動計・温度計と組み合わせると故障診断精度が向上。
  • 非接触式は安全性が高く、ファン・モーター点検に最適。

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Q&A

Q. 回転計の校正は必要ですか?

A. はい。年1回程度の定期校正を推奨します。特に試験用途では信頼性確保が重要です。

Q. 非接触式タコメータの反射テープはどこに貼る?

A. 回転体の側面など、視認性の高い場所に小さく貼付します。汚れや油分があると反射率が下がるため、清掃してから貼ると良いです。

Q. 高速回転(2万rpm以上)でも測定可能ですか?

A. 光学式レーザータイプ(KEYENCE、ONO SOKKIなど)では最大10万rpmまで対応する機種もあります。

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