電力量計・エネルギーモニタの基礎知識|工場の電力を「見える化」する計測ツール

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工場や設備現場では、電力使用量を「見える化」することが、省エネや生産性向上の第一歩です。

その中心となるのが電力量計(パワーメータ)エネルギーモニタです。

この記事では、電力量計の基本原理から設置のポイント、主要メーカーの特徴までをわかりやすく解説します。


電力量計・エネルギーモニタとは?

電力量計とは、設備やライン、機器ごとの電力消費量を測定・表示する装置です。

従来のアナログメータに代わり、デジタル表示・通信機能を備えたタイプが主流となっています。

一方、エネルギーモニタは、これらのデータをネットワーク経由で収集・分析し、リアルタイムの電力使用状況を可視化するシステムです。

基本構成と仕組み

  • CT(電流センサ)やVT(電圧センサ)で電流・電圧を検出
  • 演算部で電力・電力量を計算
  • 表示部や通信機能でデータを出力

多回路型・多チャンネル型を用いれば、1台で複数設備の計測も可能です。

主な種類と特徴

① パネル取付型電力量計

分電盤や制御盤に組み込み、ライン単位で計測するタイプ。表示部付きで現場確認が容易です。

② 多回路電力モニタ

1台で複数回路を同時に測定できるタイプ。省スペースでの設置に適します。

③ クラウド連携型エネルギーモニタ

LANや無線でデータをクラウドに送信し、遠隔から管理・分析が可能。工場全体の「電力見える化」ツールとして活用されています。

導入のメリット

  • 電力使用状況をリアルタイムで把握できる
  • ピークカット・デマンド制御の実施が容易に
  • 省エネ活動や改善効果の定量化に活用できる
  • 異常な電力変動から設備トラブルを早期発見

代表的メーカー・製品例

メーカー 主な製品・シリーズ
キーエンス エネルギーモニタリングシステム(NR-Xシリーズ)
オムロン KM-N2、KM50シリーズ
パナソニック エコパワーメータ KW2Mシリーズ
三菱電機 EcoMonitorシリーズ
日置電機(HIOKI) PW3360・PW3365シリーズ

導入時の注意点

  • 測定範囲・精度・CT仕様を事前に確認
  • 既存配線への後付け可否(盤内スペース)
  • クラウド連携や通信プロトコル(Modbus、Ethernet等)の対応

購入・導入のポイント

まずは主要ラインや動力盤ごとに設置し、月次の電力推移を可視化することから始めましょう。

後からクラウド連携を追加できるタイプを選べば、将来的なIoT化にも対応できます。

よくある質問(Q&A)

Q. 一般的な分電盤に後付けできますか?

A. 多くのメーカーが後付け用のCT付きタイプを用意しています。スペースと配線経路を事前に確認しましょう。

Q. 電力量データを社内LANで共有できますか?

A. Modbus/TCPやEthernet通信対応モデルなら、データをサーバやクラウドへ送信して共有できます。

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