
送風機(ブロワー・ファン)は、空気やガスを移動・循環させるための回転機器です。
工場設備、空調システム、乾燥装置、排気ラインなど、多様な用途で利用されています。
この記事では、送風機の基本構造、種類、用途、代表メーカーをわかりやすく解説します。
送風機とは?(基礎知識)
送風機(Blower)は、羽根車(インペラ)の回転によって空気やガスを送り出す機械です。
圧力の大きさにより「ファン」「ブロワ」「コンプレッサ」に分類されます。
空気を移動させることで、冷却、換気、乾燥、集塵、燃焼補助など、さまざまな工程を支えます。
送風機の分類
送風機は、主に回転原理の違いから以下のように分類されます。
1. 遠心送風機(ターボブロワ)
インペラを回転させて空気に遠心力を与え、外周方向へ送り出すタイプ。
高圧・中流量に対応し、工場設備や集塵装置に多く使われます。
2. 軸流送風機(プロペラファン)
羽根で空気を軸方向に押し出すタイプ。低圧・大風量を得やすく、換気・冷却用に最適。
壁面ファンやダクトファンなどが代表的です。
3. 斜流送風機
遠心と軸流の中間構造を持ち、圧力と風量のバランスに優れます。
省スペース設計の空調設備などで使用されます。
4. ルーツブロワ(容積式ブロワ)
2枚または3枚のローターで空気を圧縮・送出する方式。
下水処理、エアレーション、燃焼空気供給など、定量送気に強みがあります。
送風機の構造
代表的な遠心送風機の構成要素は以下の通りです。
- インペラ:回転によって空気にエネルギーを与える羽根車。
- ケーシング:空気の流れを導く外装部。
- シャフト:モーターとインペラを接続する軸。
- ベアリング:シャフトを支持し、回転を滑らかにする。
- モーター:送風機を駆動する動力源。
用途
- 工場や倉庫の換気・冷却
- 集塵装置や乾燥ライン
- 燃焼炉・ボイラーの空気供給
- 下水処理場の曝気(エアレーション)
- 空調ダクトの送排気
主なメーカーと特徴
株式会社昭和電機
産業用送風機・集塵用ブロワを幅広く展開。静音・高効率モデルも多数。
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株式会社日立産機システム
産業用ターボブロワやルーツブロワを展開。信頼性と耐久性に優れる。
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東芝産業機器システム株式会社
軸流ファンや遠心ブロワなど多彩なラインナップを展開。省エネ型モデルも豊富。
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新明和工業株式会社
大型ブロワ・送風機分野で高シェア。上下水道やプラント設備向けに多数納入。
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メーカー比較表
メーカー | 主力製品 | 特徴 | 主な用途 |
---|---|---|---|
昭和電機 | 遠心ブロワ・集塵用ファン | 静音・高効率設計 | 工場設備・FAライン |
日立産機システム | ルーツブロワ・ターボブロワ | 高信頼・長寿命 | プラント・水処理設備 |
東芝産業機器 | 軸流ファン・遠心ブロワ | 省エネ・小型軽量 | 空調・換気・冷却 |
新明和工業 | 大型ブロワ | 高圧・大流量対応 | 上下水道・プラント |
購入先・通販サイト
Q&A
Q. 送風機とブロワーの違いは?
A. 一般に、低圧・大風量タイプを「ファン(送風機)」、中圧タイプを「ブロワ」、高圧タイプを「コンプレッサ」と呼びます。
Q. 送風機のメンテナンスはどのように行いますか?
A. 定期的に羽根車の清掃・軸受のグリスアップ・ベルトの張り調整を行います。
粉塵が多い環境では月1回程度の点検がおすすめです。
Q. 送風機から異音や振動がする場合の原因は?
A. 羽根車のアンバランス、軸受の摩耗、異物混入などが主な原因です。
放置すると軸破損に繋がるため、早期点検が必要です。
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