ガスケットとパッキン、同じ物であるようで実際には大きな違いがあります。
どのような場所で使用されるシール材がガスケットでパッキンなのかご存知でしょうか。
このページでは、ガスケットとパッキンの違いを解説します。
※ガスケットとパッキンの種類については「ガスケット・パッキンの種類。形状・材質別の12種を解説」をご覧ください。
ガスケットとは

ガスケットとは、気密性や液密性を保たせるために使用される固定用のシール材のことを指します。
固定用であるため、ボルトや専用器具により固定され、気密性や液密性を保ち続けます。
例えば、フランジ用のガスケットであればボルトによってフランジとフランジの間にフランジガスケットを挟み込むことで固定したり、サニタリー継手であれば専用のクランプでヘルール部分とヘルール部分の間にヘルールガスケットを挟み込んで固定します。
ガスケットの材質によっては、劣化を早めてしまったり、溶けてしまうことがあるため、触れる気体や液体などを考慮した上での材質選定が必要となります。
英語:Gasket
パッキンとは

パッキンとは、気密性や液密性を保たせるために使用される運動用のシール材のことを指します。
運動用のシール材であるため、パッキンは常に何か他の機械要素部品に緩衝するため、耐摩擦性や摩擦係数が低いことが求められます。
例えば、シリンダーであれば上下にピストン運動するシリンダヘッド間に漏れ止めのパッキンが使用されたり、ポンプであれば回転軸部分のシャフトに巻き付けるグランドパッキンが漏れ止めに使用されます。
パッキンは、駆動部分・運動部分に使用されるため、材質選定を怠ると頻繁に部品交換が必要となる場合があります。
英語:Packing
ガスケットとパッキンの違いまとめ
ガスケットとは・パッキンとはで解説したように
ガスケットは動かない場所に使用される「固定用のシール材」
パッキンは動く場所に使用される「運動用のシール材」
と、使用される場所によって言い方が変わります。
しかしながら、どちらもシール材にはかわらず、メーカーによっては駆動部に使われていてもガスケットと呼んだり、固定されていてもパッキンと呼ばれていたりと様々です。
用語としての基礎知識として覚えておいてください。
間違えると起きるトラブル
ガスケットとパッキンの使い分けを誤ると、単なる「部品の違い」では済まず、設備トラブルや品質不良、保全コストの増大につながることがあります。
見た目が似ているため代用できそうに感じますが、密封方法・使用環境・圧力条件の違いを無視すると、以下のような問題が発生しやすくなります。
1. 漏れ(リーク)の発生
本来ガスケットを使用すべきフランジ部にパッキンを用いると、面全体で均一に圧力を受けられず、締結後に隙間が生じやすくなります。
その結果、液体や気体が漏れ、製品不良や設備停止の原因になります。
2. 締結部の破損・変形
ガスケットは面圧を分散させる前提で設計されていますが、代わりにパッキンを使用すると、局所的に力が集中します。
これによりフランジの歪み、ボルトの過大応力、最悪の場合は割れや変形を招くことがあります。
3. 耐圧・耐熱不足による早期劣化
高温・高圧条件で使用すべき箇所に、適合しない材質のパッキンを使うと、短期間で硬化・収縮・溶解などの劣化が進行します。
結果として、想定より早い交換が必要になり、保全工数と部品コストが増大します。
4. 設備トラブルによる生産停止・安全リスク
シール不良による漏れは、潤滑不良・圧力低下・異物混入を引き起こし、生産設備の突発停止や品質クレームにつながる可能性があります。
内容物が薬品や高温流体の場合、作業者の安全リスクにも直結します。
5. 原因不明トラブルの長期化
「一応密閉できている」状態でも、部品選定ミスが原因の微小な漏れや応力集中は、振動・温度変化・経年劣化によって徐々に悪化します。
結果として、原因特定に時間を要する慢性的なトラブルへ発展しがちです。
間違えると起きるトラブルまとめ
ガスケットとパッキンは、どちらも“隙間を埋める部品”でありながら、設計思想と適用範囲が異なります。
用途・圧力・温度・締結構造を踏まえて正しく選定することが、設備トラブルの未然防止と保全コスト削減に直結します。
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