【全6種】ゆるみ止めナットの種類。緩み止め効果と代表的なメーカー品

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工場内の生産設備や機械、自動車、航空・宇宙関係など、あらゆる場面でナットの緩みは、不具合や故障の原因となります。

ナットが緩まなければ、製品の耐久性が長くなったり、設備のメンテナンス期間を長くできたり、良いことばかり。

このページでは、緩み止めナットの種類や各製品の緩み止め効果、構造、代表的な製造メーカーなどについて解説します。


フリクションリングナット

フリクションリングナットとは、板バネのようなフリクションリングがナット上部に内蔵されており、リングの反発によってナットの緩みや脱落を防止する緩み止めナットです。

代表的なフリクションリングナットには、Uナット(株式会社冨士精密)やVナット(紀州ファスナー)などがあります。

その他のメーカーや商品については「フリクションリング。UナットやVナット等、全5メーカーと商品」を参考にしてください。

ナイロンインサートロックナット

ナイロンインサートロックナットとは、ナットの上部にナイロン製のリングが内蔵されており、ナットを締めこんだ際にナイロンリングに雌ねじが形成され、その摩擦とトルクによって緩み止め効果を発揮するナットです。

代表的なナイロンインサートロックナットには、米国エスナ社より直接技術提供を受け日本での製造を行ったロックファスナー株式会社のナイロンナットがあります。

一般的にナイロンインサートロックナットは、ナイロンナットと呼ばれていますが、ナイロンナットはロックファスナー社が使用している商品名となります。

フランジナット

フランジナットとは、ナットの下部にフランジが付いたナットです。フランジナットには、接地面が平らなモノとギザギザが付いたものの2種類があります。

フランジナットは、ナットメーカーの多くが製造しており、Uナット×フランジナット、ナイロンナット×フランジナットなどの組み合わせによって、標準ナット以上のゆるみ止め効果を発揮します。

皿ばねナット

皿ばねナットとは、ナットの下部に皿ばね座金が付いた、皿ばね状のワッシャー一体型のナットです。

皿ばねワッシャーの弾性性能が振動を吸収するとともに、皿ばねワッシャーのばね反力によりゆるみ止め効果を発揮すます。

溝付きナット(キャッスルナット)

溝付きナットとは、ナットの上部に溝があるナットで、ピン穴があいたボルトと組み合わせて使用するナットです。

溝付きナットを締めこんだ後に、ボルトにあいた穴にピンを通すことで物理的にナットの脱落を防止します。

ピン穴位置を適した位置にあけることで緩みを防止することができますが、ピン穴位置が適切でない場合は、脱落を防止することはできても、緩みを防止することはできません。

ハードロックナット(HLN)

ハードロックナットとは、ハードロック工業株式会社のゆるみ止めナットで、上ナットと下ナットの2つのナットを羽交い締めすることで緩みを防止するナットです。

上ナットと下ナットがそれぞれ逆方向に押さえつける構造になっており、通常のダブルナットと比べて、より強力なゆるみ止め効果が得られます。

まとめ

いかがでしたでしょうか。ゆるみ止めナットには、様々な種類があります。

期待できる効果も種類によって異なっており、価格も異なります。

使用したい場所に合わせてゆるみ止めナットを選定することで、より効率的で効果的な使い方ができるかと思います。

皆さんも適材適所でいろいろな種類のゆるみ止めナットを使用してみてください。



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