
タイミングベルトは、歯付きの構造を持ち、プーリーと噛み合って滑りなく高精度に動力を伝達するベルトです。
自動車のエンジンや産業機械、FA機器、精密装置などで広く使用されており、静音性・省エネ性・高精度を兼ね備えた伝動方式として重要な役割を果たします。
ここでは、タイミングベルトの基礎知識、種類、用途、主要メーカーや購入先について解説します。
タイミングベルトとは?(基礎知識)
タイミングベルトは、ベルトの内側に歯(歯形)が刻まれており、タイミングプーリーと嚙み合って滑りのない伝達を実現します。
摩擦伝動のVベルトやフラットベルトに比べ、同期性や位置決め精度が求められる用途に最適です。
タイミングベルトの種類(歯形規格)
- 台形歯形(MXL, XL, L, H, XH, XXH): 古くから使われる規格。軽負荷用途に多い。
- 円弧歯形(HTD 3M, 5M, 8M, 14M): 高強度で、高トルク伝達に適する。
- 改良型円弧歯形(STS, RPPなど): 高精度・低騒音化を実現した最新規格。
タイミングベルトの種類(材質・用途別)
- ゴム製タイミングベルト: 標準的なタイプ。自動車・産業機械で広く使用。
- ポリウレタン製タイミングベルト: 耐摩耗性・耐薬品性に優れ、クリーン環境で利用。
- ワイヤ補強入り: 高強度で伸びが少なく長寿命。
- 省エネタイプ: 摩擦損失を抑えた高効率設計(例:三ツ星「マックスタータイミングベルト」)。
タイミングベルトの用途
- 自動車エンジン(カムシャフト駆動など)
- 工作機械・FA機器
- 搬送装置・コンベヤ
- 精密機器(プリンター、複合機、医療機器など)
- 食品・クリーンルーム設備
主要メーカーと特徴
三ツ星ベルト
国内トップクラスのベルトメーカー。一般産業用から省エネ型「マックスター」シリーズまで展開。公式サイトはこちら
バンドー化学(Bando)
自動車用補機ベルトに強く、タイミングベルトでも幅広い分野に対応。公式サイトはこちら
ゲイツ・ユニッタ・アジア(Gates Unitta Asia)
世界的ブランド「ゲイツ」のアジア拠点。HTD/STS規格の高精度・高耐久ベルトでグローバルシェアを持つ。公式サイトはこちら
メーカー比較表
メーカー | 特徴 | 主な分野 |
---|---|---|
三ツ星ベルト | 省エネ型「マックスター」シリーズ展開 | 産業機械・自動車 |
バンドー化学 | 自動車補機駆動用と産業用に強い | 自動車・FA機器 |
ゲイツ・ユニッタ・アジア | HTD/STS規格で世界的シェア | 精密機械・産業設備 |
WEBでの購入先
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Q&A
Q. Vベルトとタイミングベルトの違いは?
A. Vベルトは摩擦伝動で柔軟性に優れますが滑ることがあります。タイミングベルトは歯付き構造で滑りがなく、高精度の同期が可能です。
Q. タイミングベルトの交換時期は?
A. 使用条件によりますが、自動車では10万km程度、産業機械では数千時間での交換が目安です。