製造業の商流・流通のイロハ。消耗品・生産財など購買担当者向け情報

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車や家電、スマートフォンなど、製造現場ではあらゆる部品や部材を購入します。

今回の記事では、意外と知られていない製造現場で購入されている部品や部材、消耗品や生産財などの商流について解説します。

購買担当者であれば知っておきたい、安く物品購入をするヒント満載です。


製造業の商流(基本の流れ)

日本の製造業で一番多い流通のパターン

メーカー → 商社・卸 → 販売店 → ユーザー(最終購入者、使用者)

日本では、このような流通形態が最も多い商流のパターンだと言われています。

製造メーカーが大きな商社(卸)に製品を卸し、それをまた地域の販売店と呼ばれる販売会社が最終ユーザーである現場の使用者へ販売されています。

なんで直接メーカーが販売をしないの?と思われる方も多いかと思いますが、様々な要因により最も効率が良いと考えられこのような形態が増えていきました。(※なぜ?の詳細は後で詳しく解説します。)

また、この形態の商流には、一次代理店(商社・卸)、二次代理店(商社・卸)・・・と、いくつもの商社・卸が間に入ることがありますが、商社・卸はひとまとめにして解説していきます。

次に多いのは!?商社・卸がユーザーへの直販パターン

メーカー → 直販商社(販売店) → ユーザー(最終購入者、使用者)

商社・卸と販売店を挟む商流の次に多いパターンだと言われているのは、商社・卸がユーザーへ直接販売する。もしくは、販売店が直接メーカーから仕入れるパターンです。

このパターンには、多数メーカーから仕入れを行いユーザーへ直接販売する商社系のECサイトも含まれます。

日本の製造業ではレア。メーカー直販パターン

メーカーがユーザーへ直接販売するメーカー直販パターンは、日本ではあまり見られません。

一般消費者が購入する完成品(B to C)は、メーカー運営によるECサイトの発展により多くなってきましたが、製造業の現場で購入される部材など(B to B)は、まだまだ多いとは言えません。

部品・部材メーカーについて

商社・卸、直販商社を利用するメーカーとその理由や特徴

流通のパターンでも紹介したようにメーカーの多くはユーザーへ直接販売をせずに商社・卸、直販商社を通じてユーザーへ販売しています。

メーカーが直販しない理由

メーカーが直販をしない理由はたくさんありますが、一番大きい理由は”与信管理が困難”であることがほとんどです。

販売先が今までは限られた代理店契約を結んだ商社・卸だけであったのに対し、メーカーが直販をした場合、膨大な数のユーザーと取引をする必要があり、個々のユーザーから代金の回収をしなければなりません。

そのため、管理が難しくメーカーだけではできないため、販売店や直販商社にユーザーからの代金回収を任せ、地域の販売店(ここも数が多い)からの回収は商社・卸に任せている状況です。

また、その他にも小さなメーカーの場合、物流網がなかったり、営業がいない(少ない)といった理由により直販をしていません。

直販をしないメーカーの特徴

メーカーが直販をしない理由は”与信管理”にありますが、その他にも直販をしないメーカーの特徴がありますのでまとめました。

・与信管理が難しい(直販すると使用するユーザーの数が膨大になってしまう)

・営業がいない(商社・卸、販売店、直販商社が営業マンの代わりになっている)

・営業が少ない(直接ユーザーへ営業するほど数がいない)

・製品単価が安い(直接ユーザーへ営業しても購入される単価が安く費用対効果が悪い)

・知名度がない(商社が発行するカタログへ掲載してもらうことでユーザーが認知してくれる)

・手っ取り早く売りたい(商社・卸、販売店、直販商社の流通網を活かしたくさん販売したい)

大小によっても様々ですがこれらが直販しないメーカーの特徴だと言えます。

商社・卸、直販商社を利用しない直販メーカーとその理由や特徴

上記のような理由があってもユーザーへ直接販売を行うメーカーもあります。

メーカーがユーザーへ直販をする理由

与信管理などの理由によりメーカーがユーザーへ直接販売するのは難しいと解説しましたが、それでも直販をするメーカーは存在します。

その大きな理由の1つが”中間マージン”を取られないためです。

商社・卸と販売店や直販商社を通じて販売するとそれぞれが利益を得なければならないため、仕入れ額に手数料を乗せた金額でユーザーへ販売されます。

(例)定価(10000円)で物品をユーザーが購入すると仮定

・メーカー(4000円)→商社・卸(6000円)→販売店(8000円)→ユーザー(10000円)

・メーカー(4000円)→ユーザー(10000円)

このように商社・卸と販売店が2000円の利益をそれぞれ得るためにメーカーの利益も圧迫されてしまいます。(メーカーの利益は2000円)

一方、メーカーがユーザーへ直接販売する場合、中間マージンが発生しないため、多くの利益を得ることができます。(メーカーの利益は6000円)

この例の様に商社・卸や販売店、直販商社を介さないため、多くの利益を得ることができるため、直販をしているメーカーがあるのです。

直販メーカーの特徴

メーカーが直販をする理由は”利益”にありますが、その他にも直販をする(直販できる)メーカーの特徴がありますのでまとめました。

・営業体制が整っている(営業所が全国にありユーザーをフォローできる体制がある)

・高単価もしくは大ロットの製品を販売(一つの商談や営業に多くの経費がかけられる)

・ECサイトを運営(営業がいなくても勝手に売れる仕組みがある)

・特殊な製品(専門性が高く、メーカーが直接説明しないとユーザーに買ってもらえない)

これらが主な直販メーカーの特徴だと言えます。

購買・購入ユーザーについて

ここまで、メーカー側からの目線で解説していましたが、実はユーザーも直接購入しないと判断することがあります。

ユーザー側もメーカーから直接購入することはNG!?

ユーザー側も生産財や消耗品をはじめとする部品・部材をメーカーから直接買わないケースがあります。

その大きな原因の一つが”口座”を持っていないことためです。

また、その他にもメーカーから直接購入すると数量が少なくなるため、値引き率が高く、割高になってしまう可能性もあるからです。

ユーザーが言う口座とは

ユーザーが取引の際に口をそろえて言うのは「口座がないから・・・」、「口座を開けないから・・・」と”口座”の二文字です。

ユーザーが言う口座とは銀行の預金口座とは異なり、売買契約を結ぶこととなります。ここでの売買契約とは売掛、買掛での取引を指します。

具体的には、ユーザーによっても異なりますが、締日までの一か月間の代金をまとめて請求して所定の日に支払いを行うことです。

ユーザーによっては、末締め6か月後支払いなどと、購入日より半年も先の日程にて支払いが行われるケースもあります。

ユーザーとの口座開設の難しさ

契約さえすれば口座が開設できるのでしょ?と思われる方も多いかと思いますが、特定のメーカーがユーザーの口座を獲得することはかなり難しいと言えます。

それは、近年ユーザーは口座管理費が膨れ上がるなどの理由により口座を閉鎖し続けていることにあります。

年間に数十万円程度の取引しか見込めない場合は、ユーザーは間違えなく口座を開設せず、販売店などの出入り業者を通じて購入したいと言われる可能性があります。

商社・卸、販売店、直販商社の違い

商社・卸、販売店、直販商社、代理店など、ひとくくりに”商社”とまてめて呼ばれることがありますが、それぞれ違いがあり、特徴もことなります。

商社・卸とは

商社・卸は、メーカーから物を仕入れ、販売店に物を卸す中間業者を指します。

商社・卸の中には、ユーザーへ直接販売を行う直販商社を兼ねている場合もあります。

商社・卸がユーザーへ直販しない理由

一部の商社・卸がユーザーへ直接販売していることもありますが、基本的には直販はせずに地域の販売を通じてユーザーへ販売しています。

直販できないというより、昔からの商流があるため、直販できないと言ったほうが良いかもしれません。

大手の商社・卸はほとんどが昔から販売店を通じてユーザーへ販売を行っているため、その商流を少しでも崩すと売り上げがゼロになる可能性があります。

具体的には、販売店は一つのメーカー品であったとしても複数の商社・卸から購入することができ、一社の商社・卸が直販を始めると、その商社・卸は販売店の競合になってしまうため、その商社・卸との取引をやめる可能性が高いためです。

商社・卸の特徴

商社・卸が直販できない理由は、上記の様に”昔からの付き合い、商流を崩せないこと”にありますが、特徴がありますのでまとめました。

・ほとんどの場合、メーカーから仕入れ販売店へ卸す。直販はしない(できない)

・商社・卸がメーカーと販売店を結ぶ物流網になっいる

・商社・卸は全国に営業所を持つ大手であることが多い

・商社・卸はメーカーの在庫を抱え、販売量も多いため、安く物を仕入れることができる

これらが主な直販メーカーの特徴だと言えます。

販売店とは

販売店は、商社・卸から物を仕入れ、ユーザーへ直接販売する形態の商社のことを言います。販売店の他にディーラーを呼ばれることもあります。

多くの場合、地域密着型の経営がされており、ユーザーへ直接営業していることがほとんどです。

販売店が直接メーカーから購入しない理由

地域密着であるもののユーザーへ直接販売をしているため、メーカーから直接購入すれば安く仕入れることができるのでは?と思われるかもしれませんが、商社・卸と比べると一つのメーカーからの購入額は多くありません。

販売店は、販売する物の種類も多く、在庫を抱えることもできないため、在庫があり、安く販売している商社から購入して、ユーザーへ販売する方が効率が良いのです。

販売店の特徴

販売店が直接メーカーから購入しない理由は”販売量が少なく安く仕入れられないこと”や”在庫を抱えられないこと”がありますが、特徴がありますのでまとめました。

・地域密着型

・一つのメーカー品の販売量は多くない

・販売量が多く無いため在庫が持てない

これらが主な販売店の特徴です。

直販商社とは

直販商社は、メーカーから物を直接仕入れ、ユーザーへ直販を行う商社です。

近年多くなってきている商社が運営するECサイトも直販商社に分類されます。

直販商社が直接ユーザーへ販売できる理由

直販商社が直接ユーザーへ販売できる理由は、取り扱い商品にあります。

多くの直販商社は、単価の高い製品を販売していたり、大量に使われるような大ロットの部品や部材を取り扱っていることが多いです。

その他にも商流のしがらみがなく、ECサイトを利用して全国に効率よく販売できる体制が整っていることが理由にある場合もあります。

直販商社の特徴

直販商社が直接ユーザーへ販売できる理由は”単価が高い”、”ロットが大きい”、”ECサイトを運営している”などがありますが、特徴がありますのでまとめました。

・単価が高い製品もしくは、ロットが大きくなる製品を取り扱っている

・販売店とのしがらみがない

・ECサイトにて直販している場合がある

これらが主な直販商社の特徴です。

まとめ

これらのように製造業の商流・流通について解説してきましたがわかりましたか?

日本の製造業にはいろいろな要因があり複雑な商流・流通が出来上がりました。

商流・流通を理解してより良い購買活動に取り組んでください。



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