ハーネス・安全帯の基礎知識|種類・構造・法改正対応とメーカー比較

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

高所作業において最も重要な保護具の一つがハーネス(安全帯)です。

転落事故を防ぐだけでなく、墜落時の衝撃を分散し身体を守る役割を果たします。

本記事では、ハーネス・安全帯の種類、法改正の内容、主要メーカー、選び方のポイントを解説します。




安全帯から「墜落制止用器具」へ

2019年2月、労働安全衛生法施行令の改正により、「安全帯」という名称は廃止され、墜落制止用器具に一本化されました。

従来の胴ベルト型からフルハーネス型への移行が義務化され、より高い安全性が求められています。

ハーネスの種類

種類 特徴 適用作業
フルハーネス型 胴・肩・腿をベルトで支え、墜落時の衝撃を分散 原則すべての高所作業(2m以上)
胴ベルト型 腰部のみで体を保持。限定条件下で使用可能 建設機械整備・柱上作業など(条件付き)
リトラクタ式(巻取式) ランヤードが自動伸縮。作業範囲が広い 高所での移動作業
ダブルランヤード式 2本のフックで常時1点を確保可能 連続的な移動を伴う作業

構造と部品

  • ベルト部: ナイロン・ポリエステル素材。肩・腿・胴を支持
  • バックル: ワンタッチ式が主流。装着・調整が容易
  • ランヤード: フック付きロープまたは巻取式で、墜落時の衝撃を吸収
  • ショックアブソーバ: 落下時の衝撃力を緩和
  • フック: 高強度スチール・アルミ製。片手操作可能な開閉構造

法令・規格

  • 労働安全衛生法施行令 第13条: 高さ2m以上で作業床がない場所では、墜落制止用器具の使用が義務
  • 厚生労働省告示第11号(2018年): 墜落制止用器具の規格を定義
  • JIS T 8165: 墜落制止用器具の性能基準

選び方のポイント

  • 作業環境: 高所・狭所・傾斜などに合わせた構造を選ぶ
  • フィット感: 長時間装着を考慮し、ベルト調整が容易なタイプを選定
  • 安全性: JIS・厚労省認定品を選び、定期点検を実施
  • 快適性: メッシュパッド・軽量バックルなど、装着ストレスの少ないモデルを推奨

主要メーカーと特徴

藤井電工(ツヨロン)

業界トップシェア。フルハーネス型の豊富なラインナップを誇り、品質・信頼性ともに高い。

ミドリ安全

国内大手安全用品メーカー。快適性とデザイン性に優れたモデルを多数展開。

谷沢製作所(TANIZAWA)

ヘルメットで有名なメーカー。墜落制止用器具にも強く、軽量モデルが多い。

サンコー(SKY harness)

建設現場で人気の高コスパモデルを展開。リトラクタ式・ダブルフック式も豊富。

トーヨーセフティー

安全帯からハーネスまで一貫製造。DIY・軽作業向けモデルも充実。

おすすめのハーネスを探す

Q&A

Q. 胴ベルト型はもう使えないのですか?

A. 高さ2m以上の作業では原則使用不可ですが、限定条件(設備点検など)では認められる場合もあります。

Q. ハーネスの使用期限はありますか?

A. 一般的に使用開始から3〜5年が目安です。損傷・劣化・変色が見られる場合は早めに交換しましょう。

Q. 定期点検は必要ですか?

A. はい。作業開始前点検と定期点検(6か月以内ごと)を実施し、記録を残すことが推奨されています。

関連記事

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • Pocket
  • LINEで送る

DIYにおすすめの主要ECサイト比較

生産財や副資材、消耗品、交換部品など、

近年では、インターネットで何でも購入できる時代になりました。

そんなECサイトをまとめた記事を公開中!

是非、参考にしてみてください。


DIYにおすすめの主要ECサイト比較へ