エアコンプレッサーの圧縮空気で駆動するエアインパクトレンチは、自動車整備や工場でのボルト・ナット脱着に欠かせない定番工具です。
電動式よりも軽量で耐久性が高く、連続使用にも強いため、プロの現場で広く使われています。
この記事では、エアインパクトレンチの仕組み・使い方・選び方を解説し、用途別おすすめモデルを紹介します。
エアインパクトレンチとは?
エアインパクトレンチは、エアコンプレッサーから供給される圧縮空気を利用して、ハンマー機構を動かし高トルクでボルト・ナットを締め緩めする空気圧駆動工具です。
主な用途
- 自動車・バイクのホイールナットの脱着
- 大型トラックや機械設備の整備
- 製造ラインでの組立作業
- 高トルクが必要な工場・メンテナンス現場
エアインパクトレンチの仕組み
エアコンプレッサーからホースを通して供給された圧縮空気が、モーター内部の羽根を回転させ、
内部のハンマー機構が打撃(インパクト)を発生させます。
この打撃力が瞬間的にボルトを回すため、固着したナットも容易に緩めることができます。
エア式のメリット・デメリット
| メリット | デメリット |
|---|---|
|
|
必要なエア条件の目安
エアインパクトレンチを選ぶ際は、使用空気圧と空気消費量を確認することが重要です。
| 用途 | 必要空気圧 | 空気消費量 | 推奨コンプレッサー |
|---|---|---|---|
| 軽自動車・小型機械 | 0.6〜0.7MPa | 約100L/min | 1.5馬力クラス |
| 普通車・産業設備 | 0.7〜0.8MPa | 150〜200L/min | 2馬力クラス |
| 大型車・重機 | 0.8〜0.9MPa | 250L/min以上 | 3馬力以上 |
エアインパクトレンチの使い方
① エアホース・カプラーを接続
コンプレッサー → ホース → カプラー → インパクトレンチの順に接続します。
途中にエアレギュレーター・オイラーを入れると、圧力安定と潤滑が保たれます。
② 回転方向を確認
スイッチで締める(正転)/緩める(逆転)を切り替えてから作業を開始します。
③ ソケットの装着
必ずインパクト対応ソケットを使用。通常ソケットは割れる危険があります。
④ 適正トルクで使用
仮締め・緩め作業はインパクトレンチ、本締めはトルクレンチで行うのが基本です。
おすすめのエアインパクトレンチ
| 製品名 | 特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
| ベッセル GT-1600V | 軽量・高トルク。小型ながら整備士にも人気。 | Amazon| 楽天 |
| 空研 KW-1600PROX | 国産定番モデル。高トルクと耐久性を両立。 | Amazon| 楽天 |
| シカマイ(Chicago Pneumatic)CP7748 | 世界中の整備現場で採用。500N・m級の安定トルク。 | Amazon| 楽天 |
| 信濃機販 SI-1550 | 静音設計で連続作業に強い。日本製の高信頼モデル。 | Amazon| 楽天 |
メンテナンスの基本
- 使用前にエアツールオイルを1〜2滴注入(潤滑維持)。
- 使用後は水分を抜いて保管(エアタンク内の結露対策)。
- 定期的にホース・カプラーの緩みやエア漏れを点検。
- 使用圧力を超える空気圧は絶対にかけない。
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まとめ
エアインパクトレンチは、軽量でパワフルなプロ向けツールです。
適正なエア圧と潤滑管理を守れば、長期間安定して高トルクを発揮します。
電動式と比べて初期設備(コンプレッサー)は必要ですが、耐久性と作業効率を求めるなら、エア式が最も信頼できる選択肢です。












