エアコンや冷凍機などの冷媒配管を接続する際、パイプ端をラッパ状に広げる作業に使われるのがフレアツールです。
銅管を正確な角度に加工することで、フレアナットと密着し、ガス漏れを防ぎます。
この記事では、フレアツールの種類・使い方・選び方をわかりやすく解説します。
フレアツールとは?
フレアツールは、銅管の端部を45°のラッパ状(フレア)に広げるための加工工具です。
冷媒配管の接続にはフレア継手が多く使われており、精度の高い加工が求められます。
主な用途
- エアコン・冷凍機などの冷媒管接続
- 冷却・空調設備の施工
- 銅管・アルミ管のフレア加工
- 精密配管ラインの組立
フレアツールの構造
- クランプバー: 銅管を固定する部品。サイズ(1/4・3/8など)ごとに穴がある。
- コーンヘッド: 回転して銅管端を押し広げる円錐状のパーツ。
- ハンドル: コーンを押し込むためのねじ機構。
- ゲージ: フレア長を一定にするための当て具。
フレアツールの種類
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 手動式フレアツール | 最も一般的。ハンドルで締め付けて加工。 | 現場施工・DIY |
| ラチェット式フレアツール | 軽い力で均一に加工できる。 | プロ施工・頻繁な作業 |
| 自動送り式フレアツール | トルク一定で安定した仕上がり。 | 品質重視の冷媒工事 |
| 電動フレアツール | 大量施工向け。バラつきが少なく高精度。 | 量産ライン・業務用設備 |
対応サイズと規格
冷媒配管に使われる主な銅管サイズは以下の通りです。
| 呼びサイズ(インチ) | 外径(mm) | 主な用途 |
|---|---|---|
| 1/4 | 6.35 | 家庭用エアコン(低圧側) |
| 3/8 | 9.52 | 家庭用エアコン(高圧側) |
| 1/2 | 12.7 | 業務用・大型冷媒管 |
| 5/8 | 15.88 | 冷凍設備・産業用配管 |
おすすめのフレアツール
| 製品名 | 特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
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| BBK テクノロジーズ フレアツール FT-122L | 自動送り式。ラチェット構造で軽い力でも高精度。 | Amazon| 楽天 |
| TASCO 電動フレアツール TA550ED | プロ用電動タイプ。均一なトルクで安定した仕上がり。 | Amazon| 楽天 |
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フレアツールの使い方
① 銅管をカット・バリ取り
パイプカッターで銅管を垂直にカットし、リーマーで内外バリを除去します。
切断面が斜めになっていると気密不良の原因になります。
② クランプにセット
銅管をクランプバーに差し込み、ゲージに合わせて突出長を調整。
しっかり固定してずれないようにします。
③ コーンヘッドで加工
コーンを管の中心に当て、ハンドルを回して押し広げます。
均等に力をかけ、45°の滑らかなフレア形状を作ります。
④ 加工後の確認
クラック(ひび割れ)や変形がないかを確認し、滑らかに仕上がっていればOKです。
フレアナットを装着し、継手に接続します。
注意点とコツ
- 切断面にバリが残っていると気密が取れない。
- コーンの位置ズレに注意。芯がずれるとガス漏れの原因。
- 加工後はフレア面を手で触れず、油分を付着させない。
- 専用トルクレンチで適正トルクで締付ける。
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まとめ
フレアツールは、冷媒配管の「気密性」を確保するための最重要工具です。
正しい位置・角度で加工すれば、ガス漏れやトラブルを未然に防止できます。
施工前のカット・バリ取り・締付けを丁寧に行うことが、確実な接続への第一歩です。












