ディスクグラインダーは、金属・コンクリート・ステンレスなどの切断や研磨に欠かせない電動工具です。
その性能を最大限に引き出すには、用途に合った砥石(ディスク)選びが重要です。
本記事では、砥石の種類・材質・粒度・厚さなど、選び方の基本と安全な使い方を詳しく解説します。
ディスクグラインダー砥石の基本構造
砥石は主に以下の3層構造でできています。
- 砥粒(とりゅう): 金属や石材を削る粒子。用途により種類が異なる。
- 結合剤: 砥粒を固める接着材。レジノイド(樹脂系)が主流。
- 補強材: ガラスクロスなどで強度を高め、安全性を確保。
ディスクの中央には取付穴(中心穴)があり、グラインダーのスピンドルに装着して回転します。
砥石の種類と用途
① 切断砥石(カッティングディスク)
- 厚さ1〜2mmの薄型タイプ。
- 鉄・ステンレス・アルミ・コンクリートなどの切断用。
- 強く押し付けず、回転数を落とさずに切るのがポイント。
② 研削砥石(グラインディングホイール)
- 厚さ6mm前後。金属バリ取りや面取りに使用。
- 鉄工・溶接部の仕上げ・錆落としに最適。
- 角度15°程度で当てて使う。
③ フラップディスク(ペーパー砥石)
- 砥布(サンドペーパー)を放射状に貼ったタイプ。
- 金属の研磨・塗装前処理に最適。
- 削り跡が滑らかで仕上げ作業に向く。
④ ダイヤモンドカッター
- コンクリート・タイル・石材専用。
- 刃先にダイヤ粒子が焼結され、硬質材の切断に対応。
- 乾式・湿式があり、連続作業は冷却を意識。
砥粒材質の種類と選び方
| 砥粒名 | 略号 | 主な用途 |
|---|---|---|
| アルミナ(酸化アルミニウム) | A | 鉄・鋳鉄など一般金属用 |
| シリコンカーバイド | C | 非鉄金属・石材・ステンレス |
| ジルコニアアルミナ | Z | ステンレス・硬材研削用 |
| ダイヤモンド | D | コンクリート・タイル・セラミック |
選定時のチェックポイント
- 素材に合わせた砥粒選定: 鉄→A、ステンレス→Z、石材→CまたはD。
- 回転数適合: グラインダーの定格回転数以上の「最高使用周速度(m/s)」を確認。
- 厚さ: 切断=薄い、研削=厚い、仕上げ=中程度。
- 外径: 一般的に100mm・125mm・150mm。工具に合わせる。
- 安全規格: JIS・EN規格・安全認証マークの有無を確認。
使用時の安全ポイント
- 保護具を着用: ゴーグル・防塵マスク・手袋・耳栓は必須。
- 側面使用禁止: 切断砥石で横方向に力をかけない。
- 砥石交換時: 電源を抜き、ナットを確実に締める。
- 砥石の点検: ひび・欠けがある場合は絶対に使用しない。
- 火花の方向: 可燃物を避け、周囲確認を徹底。
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|---|---|---|
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よくある質問(Q&A)
- Q. 切断砥石と研削砥石は兼用できますか?
- A. できません。切断砥石で側面を当てると破損します。用途ごとに使い分けてください。
- Q. グラインダーの回転数はどのくらいが安全?
- A. 砥石表示の「最高使用回転数」を超えないことが絶対条件です。
- Q. ステンレス用砥石を鉄に使っても良い?
- A. 問題ありませんが、鉄用より高価な傾向があります。鉄専用の方が経済的です。
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まとめ
ディスクグラインダーの砥石は「素材・目的・安全性」で選ぶのが鉄則です。
切断・研削・仕上げで砥石を使い分け、必ず防護具を着用して安全に作業を行いましょう。







