ボルト・ナットのサイズがその都度違う現場で活躍するのが、口の開き幅を自由に調整できるモンキーレンチです。
1本で多くのサイズに対応できるため、工具点数を減らしたい人や出張整備・緊急対応で特に重宝します。
本記事では、モンキーレンチの仕組み・種類・正しい使い方・選び方をわかりやすく解説します。
モンキーレンチとは?
モンキーレンチは、口の幅をネジで無段階に調整できるレンチです。
スパナやメガネレンチのようにサイズごとに工具を用意する必要がなく、1本で複数サイズをカバーできるのが最大の特徴です。
モンキーレンチの構造
- 固定側ジョー: ハンドルと一体化した側。
- 可動ジョー: 口幅を変えるスライド部分。
- ウォームネジ: ダイヤル状の部分。回すことで可動ジョーが前後に動く。
主な用途
- 配管金具やナットの締付け・緩め
- 出先での簡易整備・応急対応
- サイズ不明のボルト・ナット作業
- 工具点数を減らしたい携帯工具セット
モンキーレンチの種類
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 標準モンキーレンチ | 一般的なタイプ。開口幅は20〜40mm程度。 | 設備・DIY・自動車整備 |
| ワイドモンキー | コンパクトでも広い開口幅(〜40〜50mm)に対応。 | 狭所での大径ナット作業 |
| ショートモンキー | 全長が短く、狭い場所で使いやすい。 | 機械内部・配管裏など |
| ロングモンキー | 柄が長く、大きなトルクをかけやすい。 | 大径ボルト・固着ナット |
| 薄口モンキー | 口部が薄く、狭い隙間に差し込みやすい。 | 配管継手・機械まわり |
正しい使い方の基本
① 口の開き幅をぴったり合わせる
ボルト・ナットの二面幅に対して、ガタが出ないギリギリまで口幅を調整します。
ガタついた状態で力をかけると、ナットの角をなめたり工具を傷める原因になります。
② 固定側ジョーに力をかける
モンキーレンチは固定側ジョーに力がかかる方向で使うのが基本です。
可動側に力をかけると、開きが広がりやすく、ナットを傷めるリスクが高くなります。
③ 引く方向で使う
体の方へ引く方向で力をかけると、万一外れた時もバランスを保ちやすく安全です。
押す方向で強く力を入れると、外れて怪我をしやすく危険です。
おすすめのモンキーレンチ
| 製品名 | 特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
| SUPER TOOL ワイドモンキレンチ モンキスリム WM-300S | 薄型ヘッド+最大開口幅が広い人気モデル。配管・設備工事向け。 | Amazon| 楽天 |
| TOP工業 ショートモンキレンチ SMW-200 | 全長が短く、狭い場所での作業に最適。工具箱にも入れやすいサイズ。 | Amazon| 楽天 |
| KNIPEX アジャスタブルレンチ 86 03 180 | プライヤーレンチタイプ。ナットを傷めにくく、精密作業にも対応。 | Amazon| 楽天 |
| SK11 モンキーレンチ 250mm SMW-250 | DIY〜軽整備向けの定番。コスパが良く家庭用工具としても人気。 | Amazon| 楽天 |
モンキーレンチの選び方
① 開口幅と全長
- 10〜24mmクラス:家庭・DIY・軽整備向け
- 〜30mmクラス:自動車・バイク・設備一般
- 〜40mm以上:配管・建設・プラント系の大型ナット
よく使うボルトサイズから逆算して、必要な開口幅をカバーできるモデルを選びましょう。
② ヘッドの薄さ・形状
配管周りや機械内部など、隙間の狭い場所で使う場合は薄口タイプが有利です。
一方、強度重視なら標準厚のモデルが安心です。
③ 口のガタつき・精度
安価なモンキーは可動部にガタつきがあり、力をかけると口が開きやすくナットを痛める原因になります。
できれば一度実物を触って、ガタの少ないものを選ぶのがおすすめです。
注意点とNGな使い方
- トルク管理が必要な箇所をモンキーだけで締めない(トルクレンチ併用)。
- ナットが固着している場合、延長パイプで無理に力をかけない。
- 工具自体をハンマー代わりに叩かない。
- 可動部にゴミや切粉が入ったまま放置しない。
メンテナンス方法
- 使用後は可動部のゴミ・油を拭き取り、ウォームネジに軽くオイルを差す。
- 錆びやすい環境では、防錆スプレーを軽く吹いておく。
- 落下や変形があった場合は、無理に高トルク作業に使わない。
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まとめ
モンキーレンチは、サイズの異なるボルト・ナットに柔軟に対応できる便利な万能レンチです。
ただし「なんでもモンキー」で済ませるとナットを傷める原因にもなるため、口幅を正確に合わせる・固定側ジョーに力をかけるといった基本を守ることが重要です。
用途に合った長さ・開口幅・ヘッド形状のモデルを選び、スパナ・ソケットレンチと組み合わせて使うことで、快適で安全な締付け作業が行えます。












