配管やダクトを壁・天井・床に固定する際に欠かせないのがパイプクランプ・パイプバンドです。
これらの金具は配管の重量を支えるだけでなく、振動やズレを防止し、安全で美しい施工を実現します。
この記事では、パイプクランプ・バンドの種類・用途・選び方をわかりやすく解説します。
パイプクランプ・バンドとは?
パイプクランプ(Pipe Clamp)は、円筒状の配管を固定するための締め付け金具です。
ボルトで締めて固定する構造が一般的で、材質や形状により屋内外のさまざまな環境に対応します。
主な用途
- 配管の壁面・天井吊り固定
- 空調・給排水・ガス管の支持
- 工場配管ライン・プラント設備
- ダクト・ケーブルラックの支持
パイプクランプの主な種類
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 片サドル | パイプを片側から押さえて壁に固定。簡易施工向け。 | 軽量配管・樹脂管 |
| 両サドル | 両側で固定し安定性が高い。 | 中径配管・空調ライン |
| 吊りバンド | 天井から吊り下げるタイプ。縦方向支持に使用。 | 給排水・冷媒配管 |
| 防振バンド | ゴムライナー付きで振動・騒音を軽減。 | 空調・冷凍機・ポンプ周り |
| ステンレスバンド | 錆びにくく屋外・高湿環境に強い。 | 屋外配管・工場設備 |
| ユニクロメッキバンド | コスパに優れ、一般屋内施工に多用。 | 一般建築・住宅設備 |
パイプクランプの構造
- バンド本体: パイプを囲む金属リング部。スチール・ステンレス製が主流。
- ライナー: 防振・絶縁目的で内部にゴムを装着したタイプもある。
- 取付穴: アンカーやボルトを通して壁や天井に固定。
- ボルト・ナット: 締め込みでパイプを確実に固定。
施工時の注意点
- 配管径に合ったサイズ(呼び径)を選定。
- 配管の伸縮・温度変化を考慮して間隔を設定。
- 水平配管は約1.5〜2.0m間隔、縦配管は1.0〜1.5m間隔が目安。
- 振動源近くでは防振バンドを採用する。
おすすめのパイプクランプ・バンド
| 製品名 | 特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
| ネグロス電工 片サドル SSシリーズ | 住宅・建築配管の定番。施工性とコスパのバランス良好。 | Amazon| 楽天 |
| 未来工業 防振パイプバンド PBシリーズ | ゴムライナー付きで静音施工に対応。室内配管に最適。 | Amazon| 楽天 |
| 因幡電工 吊りバンド HBシリーズ | 天井吊り施工用。ステンレス製で耐久性が高い。 | Amazon| 楽天 |
| ネグロス電工 両サドル DSシリーズ | 安定性が高く、長期設置に適した構造。屋内外両用。 | Amazon| 楽天 |
パイプクランプの取り付け方
① 取付位置をマーキング
配管ルートに沿って、固定位置を均等にマークします。
間隔を守ることで荷重分散と見た目の整合が取れます。
② アンカー・ボルトの設置
天井・壁にアンカーを打ち込み、ボルトまたはねじで固定用金具を取り付けます。
③ クランプの仮固定
パイプを通してから軽く締め、全体の水平を確認。
傾きがないことを確認して本締めします。
④ 仕上げ確認
すべてのバンドが均一な締め付けで固定されているか確認します。
防振タイプの場合、ライナーのズレや破損もチェックします。
メンテナンスと注意点
- 締めすぎるとパイプ変形の原因になるため、適度なトルクで締付け。
- 屋外使用ではステンレス製を推奨。
- 振動機器周辺は必ず防振バンドを採用。
- 腐食・緩みがある場合は定期点検で交換。
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まとめ
パイプクランプ・バンドは、配管を安全に支持・固定するための基本部材です。
施工環境に合わせた素材・形状を選ぶことで、長期的な安定性と防振性能を確保できます。
確実な固定は、美観と安全の両立につながる重要ポイントです。












