温度計・赤外線サーモメーターの基礎|非接触で測る安全管理

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モーター・配電盤・配管・ベアリング・食品・空調ダクトなど、現場には「温度監視が必要なポイント」が数多く存在します。

そこで活躍するのが温度計赤外線サーモメーター(非接触温度計)です。

本記事では、接触式/非接触式の違い・選び方・使い方・注意点を、設備保全・整備・DIYユーザー向けにわかりやすく解説します。



温度計・赤外線サーモメーターとは?

温度測定用の計器は大きく分けて、対象物に触れて測る接触式温度計と、離れた場所から測れる非接触(赤外線)温度計の2種類があります。

接触式温度計

  • 熱電対式: 広い温度範囲を測定可能。工業用で定番。
  • サーミスタ式: 高感度で精度が高く、−50〜+150℃程度の範囲に強い。
  • 表面温度プローブ: 配管・ベアリングなどの表面温度測定に。

非接触(赤外線)温度計

対象物から放射される赤外線エネルギーを検出し、その強さから温度を算出します。

メリット: 高温・回転体・危険箇所など、触れない場所を安全に測定できることが最大の魅力です。

用途別の使い分け

用途 向いている測定器 理由
配電盤・ブレーカ・端子台 赤外線温度計 通電中でも安全に測定可能。
モーター・ベアリング温度 赤外線温度計+接触式 異常発熱の確認と詳細測定。
食品・厨房・冷蔵庫 防水接触式温度計 食中毒対策の中心は「中心温度」。
空調ダクト・吹き出し口 赤外線温度計 高所・届きにくい場所でも測定可。

赤外線温度計の選び方

① 測定温度範囲

  • 一般設備・空調用途:−50〜+500℃程度で十分。
  • 炉・溶接・鋳造ライン:〜800℃以上の高温対応モデルが必要。

② 距離対スポット比(D:S)

「どれくらい離れた距離から、どの範囲を測るか」を示す指標です(例:12:1なら、12cm離れた位置で直径1cmの範囲を測定)。

  • 近距離でピンポイント測定が多い → 8:1〜12:1程度
  • 離れた場所から測りたい → 20:1以上のモデル

③ 放射率設定

金属・塗装面・樹脂など、素材によって放射率(表面から放出される赤外線の割合)が異なります。

放射率可変モデルを選ぶと、測定対象に合わせて補正ができ、精度が向上します。

④ 防塵・防水・耐環境性能

  • 工場・屋外で使用 → IP54以上の防塵防滴モデルが安心。
  • 油・粉塵が多い場所 → レンズ保護キャップ付きがおすすめ。



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正しい使い方と注意点

非接触(赤外線)温度計のコツ

  • 測定距離を守る: 距離対スポット比を超えると周囲の温度も混ざって誤差が増える。
  • 光沢面は注意: 鏡面仕上げの金属は反射が強く、表示温度が低めに出やすい(テープを貼るなどして補正)。
  • レンズをきれいに: ほこり・油膜は測定誤差の原因。

接触式温度計のポイント

  • センサーをしっかり密着させる。
  • 十分な時間をおいて温度が安定してから読む。
  • 食品用途では防水・防滴・洗浄しやすい構造を選ぶ。

体表面温度測定について

工業用の赤外線温度計は、「人の体温測定」には原則として非推奨です。

医療用として認証された体温計とは設計思想が異なり、誤差が大きくなります。

人の発熱チェックには必ず医療用体温計・非接触体温計を使用しましょう。

メンテナンスと校正

  • 年1回を目安に、基準温度との差を確認。
  • 極端な高温環境・直射日光下への放置は避ける。
  • 電池残量が少ないと誤表示の原因になるため早めに交換。

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まとめ

温度計・赤外線サーモメーターは、設備の異常発熱や食品の安全管理を「見える化」する重要なツールです。

接触式と非接触式の特徴を理解し、用途に合った温度範囲・距離対スポット比・防塵防水性能を持つモデルを選ぶことで、現場の安全性と効率を大きく高めることができます。

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