配管や冷媒管、ブレーキラインなどを正確な角度で曲げるために使われるのがチューブベンダーです。
手作業では潰れやすい金属管を、きれいなR形状で加工できるため、空調設備・自動車整備・機械製作の現場で欠かせない工具です。
この記事では、チューブベンダーの種類・使い方・選び方をわかりやすく解説します。
チューブベンダーとは?
チューブベンダーは、パイプやチューブを潰さずに正確な角度で曲げるための曲げ加工工具です。
手動で行うハンドベンダーから、油圧式・電動式まで幅広いタイプがあります。
主な用途
- 銅管・アルミ管・ステンレス管の曲げ加工
- 空調・冷媒配管工事(エアコン配管など)
- 自動車のブレーキ・燃料ライン成形
- 機械・計装チューブの製作
チューブベンダーの構造
- 曲げローラー: チューブを押し当てて曲げる半円形のガイド。
- 押えローラー: チューブを固定して滑りを防ぐ部分。
- ハンドル: 加工力を伝える部分。長さがトルクと操作性を左右する。
- 目盛り: 曲げ角度を確認するための角度目盛付きタイプもあり。
チューブベンダーの種類
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| ハンドベンダー(手動) | 小径管(〜15mm)に最適。軽量で持ち運びしやすい。 | 空調・配管・DIY |
| ラチェット式ベンダー | 少ない力で曲げられる。作業効率が高い。 | 現場施工・量産作業 |
| 油圧式チューブベンダー | 中〜大径管向け。均一な曲げが可能。 | 工場・設備工事 |
| 電動式ベンダー | 大量加工向け。高精度かつ自動制御。 | 製造ライン・量産用途 |
対応素材とサイズ
ベンダーは素材の硬さ・外径に応じて選定します。
無理に細いベンダーで硬い管を曲げると潰れや割れの原因になります。
| 素材 | 特徴 | 対応ベンダー |
|---|---|---|
| 銅管・アルミ管 | 柔らかく曲げやすい。 | 手動式・ラチェット式 |
| ステンレス管 | 硬く反発が強い。 | 油圧式・電動式 |
| 樹脂チューブ(ナイロン等) | 軽量で変形しにくい。 | 専用成形ツール・温風加工併用 |
おすすめのチューブベンダー
| 製品名 | 特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
| RIDGID チューブベンダー 358 | 精密加工に最適な定番モデル。銅管・アルミ管対応。 | Amazon| 楽天 |
| REX 手動チューブベンダー TB-10 | コンパクトで扱いやすい国産モデル。銅管・ステンレス管に対応。 | Amazon| 楽天 |
| SK11 ラチェット式チューブベンダー SRB-180 | 180°曲げ対応。少ない力でスムーズに加工可能。 | Amazon| 楽天 |
| TONE 油圧式チューブベンダー HB-14 | ステンレス管の曲げ加工に最適な油圧駆動タイプ。 | Amazon| 楽天 |
チューブベンダーの使い方
① チューブをセット
チューブをローラーと押え部の間に挟み、曲げたい位置を正確に合わせます。
② ハンドルをゆっくり操作
ハンドルを一定速度で引きながら、チューブをガイドに沿って曲げます。
一気に力を加えると潰れや折れの原因になるため注意が必要です。
③ 曲げ角度を確認
角度目盛を見ながら、90°・135°・180°など必要な角度まで曲げます。
過度な曲げ戻しはチューブを損傷させるため避けましょう。
④ 加工後の形状を確認
潰れ・折れ・歪みがないかを確認し、必要に応じてリーマーで端面を整えます。
注意点とメンテナンス
- チューブの材質とベンダーの対応径を必ず確認する。
- ローラー部は汚れや金属粉を除去し、定期的に潤滑を行う。
- 冬場の銅管は冷えて硬化しているため、軽く温めてから加工すると滑らかに曲がる。
- 変形が残る場合は、R半径の大きいベンダーに変更を検討。
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まとめ
チューブベンダーは、配管を正確に曲げるための必須工具です。
用途や材質に合わせてベンダーの種類を選べば、美しい曲げ形状と高い施工品質を実現できます。
正確な角度と形状を維持することが、配管の性能と見た目の美しさを両立させるポイントです。












