機械の劣化や異常、工場・オフィスの騒音環境を客観的に評価するために使われるのが振動計と騒音計です。
設備保全・品質管理・安全衛生など多くの分野で活用され、トラブルを未然に防ぐ重要な計測ツールです。
本記事では、それぞれの仕組み・使い方・選び方をわかりやすく解説します。
振動計とは?
振動計は、機械や構造物の「揺れ(振動)」を数値化する測定器です。
モーター・ポンプ・ファンなどの回転機械で発生する異常振動を早期に検知し、故障を未然に防ぐために使用されます。
主な測定項目
- 振動加速度(m/s²)
- 振動速度(mm/s)
- 振動変位(μm)
活用シーン
- モーター・ベアリングの異常検知
- ファン・ブロワのアンバランスチェック
- 配管や床振動の確認
- 予知保全・設備診断
騒音計とは?
騒音計(サウンドレベルメーター)は、音の強さ(音圧レベル)をデシベル(dB)で測定する装置です。
工場の作業環境測定や建設現場の騒音対策、オフィス・住宅の静音評価などに利用されます。
主な測定パラメータ
- A特性(人間の聴感に近いフィルタ)
- C特性(低周波まで含む全体音量)
- 時間重み特性(FAST/SLOW)
測定の仕組み
振動計は「加速度センサー(ピックアップ)」で対象物の動きを検出し、信号を解析して速度・変位に換算します。
一方、騒音計は「マイクロフォン」で音圧を電気信号に変換し、周波数補正を行ってdB単位で表示します。
選び方のポイント
① 測定範囲と精度
- 振動計:0.01〜200mm/s程度(一般機械)
- 騒音計:30〜130dBが標準範囲
② 機能・記録方式
- ピークホールド機能: 最大値を自動記録。
- データロガー機能: 測定履歴をPCへ転送可能。
- FFT解析機能: 振動源や異常周波数を特定。
③ 用途に応じたタイプ選び
| 用途 | おすすめタイプ | 理由 |
|---|---|---|
| 簡易保全・点検 | ハンディタイプ振動計 | 現場で素早く測定可能。 |
| 精密評価・研究 | FFT解析付振動計 | 周波数成分の分析が可能。 |
| 環境測定・工場管理 | クラス2騒音計 | 法規定準拠。現場測定に最適。 |
| 行政・研究機関 | クラス1騒音計 | 高精度・広帯域測定。 |
おすすめの振動計・騒音計
| 製品名 | 特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
| リオン VM-63C(振動計) | 定番のハンディ振動計。ベアリング・回転機器の点検に最適。 | Amazon| 楽天 |
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| リオン NL-42(騒音計) | 環境測定用クラス2モデル。作業環境測定基準に適合。 | Amazon| 楽天 |
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正しい使い方と注意点
振動計を使うときのポイント
- 測定面は油分・汚れを除去して密着させる。
- 測定方向(水平・垂直・軸方向)を一定に保つ。
- 複数回測定して平均値を取る。
騒音計を使うときのポイント
- マイク位置を耳の高さに合わせる。
- 壁や反射物から1m以上離す。
- 風切音がある場合はウインドスクリーンを使用。
注意点
- 測定前にゼロ校正を行う。
- 強い振動や衝撃を与えない。
- 電池残量が少ないと誤差が増える。
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まとめ
振動計と騒音計は、機械や環境の「異常のサイン」を定量的に把握するための重要なツールです。
設備の予知保全・安全衛生・品質管理など、幅広い分野で活用できます。
正しい測定手順と定期的な校正を行い、安定したデータで現場の信頼性を高めましょう。












