工作や整備の現場で材料をしっかり固定し、安定した作業を支えるのがバイス(万力)です。
鉄工・木工・DIY・金属加工など、用途に応じた形状やサイズがあり、精度の高い作業に欠かせない固定工具です。
本記事では、バイスの種類・構造・使い方・選び方をわかりやすく解説します。
バイスとは?
バイス(万力)は、ハンドル操作で金属製のあご(ジョー)を開閉し、材料を強力に固定する工具です。
切断・穴あけ・研磨・溶接など、手やクランプでは保持しきれない作業を安全かつ精密に行うために使われます。
主な用途
- 金属や木材の固定
- 切断・穴あけ・タップ加工時の保持
- 組立や接着作業の補助
- 溶接や研磨時の安全確保
バイスの種類
| 種類 | 特徴 | 主な用途 |
|---|---|---|
| 固定バイス(ベンチバイス) | 作業台に固定して使用。強力な保持力。 | 金属加工・整備作業 |
| 回転バイス | 台座が360°回転し、角度調整が容易。 | 多方向から加工する際に便利 |
| パイプバイス | 丸パイプや円筒形材料をしっかり固定。 | 配管工事・金属加工 |
| 精密バイス | 平行精度が高く、微細加工向け。 | フライス盤・ボール盤など機械加工 |
| 真空バイス・吸盤式バイス | 吸盤で固定する軽作業用。 | 模型・電子工作・DIY |
| クロスバイス | X・Y方向にスライドできる。 | 位置調整が必要な精密加工 |
バイスの構造と使い方
① 固定位置を決める
作業台の手前に設置し、ハンドルを操作しやすい位置に固定します。安定性を高めるため、しっかりとボルトで締め付けましょう。
② 材料をセットする
材料をジョー(固定・可動部)で挟み、水平・垂直を確認してからハンドルを締めます。あて板を挟むことで傷防止にもなります。
③ 使用後のメンテナンス
切り粉や油汚れを拭き取り、スクリュー部に軽くグリスを塗布しておくと長持ちします。
おすすめのバイス
| 製品名 | 特徴 | 購入リンク |
|---|---|---|
| TRUSCO 固定バイス TFA-100 | 堅牢な鋳鉄製で、金属加工に最適。コスパの高い定番モデル。 | Amazon| 楽天 |
| SK11 回転バイス SRB-125 | 360°回転台付きで多方向から作業可能。DIY〜プロまで幅広く対応。 | Amazon| 楽天 |
| Rex パイプバイス PV100 | 配管専用の固定台。滑りにくく、丸材の保持力が高い。 | Amazon| 楽天 |
| 新潟精機 精密バイス PMV-50 | 高精度加工向け。ミニフライスやボール盤での使用に最適。 | Amazon| 楽天 |
バイス使用時の注意点
- 締めすぎによるワーク変形に注意。
- 鉄粉・切り屑がジョーに挟まると精度が低下する。
- 可動部は定期的に清掃・給油を行う。
- 非導電素材の保持には絶縁シートを活用。
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まとめ
バイスは、材料を確実に保持して作業の「精度」と「安全性」を両立させる重要な固定工具です。
用途に応じて固定式・回転式・パイプバイスなどを使い分け、適切な力で締め付けることで、加工効率と仕上がり品質を大きく向上させられます。












