バイス(Vise)は、加工や組立作業の際にワーク(被加工物)をしっかりと固定するための工具設備です。
精密加工からDIYまで幅広く使用され、安定した作業姿勢を確保するうえで欠かせません。
この記事では、バイスの種類・構造・用途・主要メーカーについて詳しく解説します。
バイスとは?(基礎知識)
バイス(Vise)とは、加工や組立作業中にワークを固定するための工具設備です。
クランプ式の機構で強い力を加え、ズレや振動を防止します。
旋盤やフライス盤などの工作機械だけでなく、作業台やボール盤にも広く使用されています。
バイスの構造
バイスは主に以下の構成要素から成り立ちます。
- 固定側ジョー:ワークを支える固定側のあご。
- 可動側ジョー:ハンドル操作により前後するあご。ワークを押さえつける。
- スクリュー:ネジ軸で可動ジョーを駆動。締付力を生み出す。
- ベース:作業台や機械テーブルに固定される土台。
- スイベル機構:角度を回転・調整可能なタイプもあり。
主な種類
- 平バイス:最も一般的なタイプ。フライス盤やボール盤で使用。
- 精密バイス:高精度加工用。研磨仕上げされた高剛性構造。
- 回転バイス(スイベルバイス):ベースが回転し、任意の角度で固定可能。
- アングルバイス:斜め加工・傾斜クランプが可能。
- ドリルバイス:小型軽量で、ボール盤に取り付けて使用。
- マシンバイス:機械加工用の高剛性モデル。油圧式・空圧式タイプも。
- 真空バイス/マグネットバイス:真空吸着・磁力固定で簡単に設置可能。
- ベンチバイス(万力):作業台に固定して組立・整備に使用。
用途
- フライス盤・ボール盤での穴あけ・切削加工時のワーク固定
- 研削・研磨作業時の保持
- 組立・整備作業時の押さえ・保持
- DIY・木工作業での部材固定
バイスとクランプの違い
バイスとクランプはいずれも「材料を固定するための工具」ですが、用途と固定の考え方が大きく異なります。
混同して使うと、作業精度の低下や安全リスクにつながるため、違いを正しく理解して使い分けることが重要です。
バイス:
作業台やベンチに据え付けて使用する固定工具で、材料を強力かつ安定して保持することができます。
切削・穴あけ・研磨・組立など、精度が求められる作業に適しており、両手を使った作業が可能になるのが大きな特徴です。
クランプ:
材料や部材を一時的に押さえるための固定具で、持ち運びが容易です。
接着作業や仮止め、位置決めなどに向いており、作業場所を選ばず柔軟に使える反面、固定力や安定性はバイスに劣ります。
主な違いのまとめ:
- 固定力:バイスは強力で安定、クランプは仮固定向き
- 設置方法:バイスは作業台に据え付け、クランプは都度取り付け
- 用途:バイスは加工・整備向け、クランプは接着・位置決め向け
作業の精度や安全性を確保するには、「しっかり固定して加工する作業」はバイス、「一時的に押さえるだけの作業」はクランプと使い分けることが重要です。
バイスの代表的なメーカーと特徴
ナベヤ(NABEYA)
精密バイス・マシンバイスの国内トップメーカー。高剛性と加工精度に定評があります。
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日研工作所(NIKKEN)
マシンバイスを中心に展開。高精度かつ耐久性の高い製品を多くラインナップ。
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オーエスジー(OSG)
切削工具メーカーとして有名ですが、精密保持具関連にも展開。高精度加工現場で採用多数。
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トラスコ中山(TRUSCO)
ベンチバイス・ドリルバイスなど、幅広い作業用途に対応した製品を展開。
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KOSMEK(コスメック)
油圧・空圧クランプ装置を含む高機能バイスメーカー。自動化・省人化対応が強み。
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メーカー比較表
| メーカー名 | 主な特徴 | 代表モデル | 用途 |
|---|---|---|---|
| ナベヤ | 高精度・高剛性のマシンバイス | SPVシリーズ | 金型加工・精密切削 |
| 日研工作所 | 安定したクランプ性能 | NVシリーズ | フライス盤・マシニングセンタ |
| OSG | 精密保持具ラインナップ | V-Pシリーズ | 精密加工 |
| トラスコ中山 | 汎用・DIY向け豊富な製品群 | TBVシリーズ | 整備・作業台用 |
| KOSMEK | 油圧・空圧式クランプ対応 | HVAシリーズ | 自動化ライン |
導入時のポイント
- 使用する工作機械や作業内容に合ったサイズを選定
- 固定力(クランプ力)と精度のバランスを確認
- 可動角度・口金幅・開口量の仕様をチェック
- 頻繁に使う場合はスイベル式・油圧式が便利
- 設置面の平面度・剛性も重要
WEBでの購入・比較
バイスは通販サイトでも多く取り扱われています。
Amazonでバイスを探す
楽天市場でバイスを探す
Yahoo!ショッピングでバイスを探す
Q&A
Q. 油圧式と手動式のどちらが良い?
A. 手動式は低コストで汎用的、油圧式は高精度・高効率で大量生産向けです。
Q. 精密バイスはどんな場面で使う?
A. 金型加工や精密研削など、μm単位の寸法精度が求められる場合に使用します。












