
シャフト(軸)は、回転運動を支えたり、動力を伝達するために使用される機械要素です。
モーターやギア、プーリー、カップリングなどと組み合わせて使用され、機械設備の心臓部ともいえる重要な部品です。
本記事では、シャフトの種類や用途、構造、主なメーカーについて詳しく解説します。
シャフトとは(基礎知識)
シャフトとは、機械装置の中で回転運動を支える部品のことで、主に動力の伝達や回転部品の支持を行います。モーターなどの動力源から出た回転を、プーリーやギア、スプロケットなどを介して他の部品に伝える役割を持ちます。
シャフトは高い精度と強度が求められる部品であり、用途に応じて炭素鋼、合金鋼、ステンレス鋼、アルミなどの素材が選ばれます。また、キー溝加工やネジ加工、段付き加工などが施されることも多いです。
シャフトの種類
- 回転軸:モーターやギアなどの回転運動を伝える一般的な軸。代表的なシャフト形式です。
- 伝動軸:プーリーやスプロケットなどを介して他の軸へ動力を伝達します。
- フレキシブルシャフト:湾曲したルートで回転を伝えるための柔軟性を持つ軸。工具や測定機器などに使用されます。
- スピンドル:高精度な回転が要求される工作機械用の主軸。ベアリングと一体で設計されることが多いです。
シャフトの用途
シャフトは、あらゆる産業機械や自動化装置に使用されています。代表的な用途は以下のとおりです。
- モーターや減速機の出力軸として
- プーリー・ギア・スプロケットの取り付け部として
- コンベヤのローラー駆動部やアイドラー軸として
- 工作機械の主軸・スピンドル部
- FA機器・自動化装置のリンク軸として
シャフトの構造と特徴
シャフトは、素材選定や加工方法によって性能が大きく変わります。構造的な特徴は以下の通りです。
- 丸棒状で、両端や中間にキー溝・段差・ねじ加工などが施される
- 軸受(ベアリング)と組み合わせて回転を支える
- トルク・曲げ・ねじり応力を考慮して設計される
- 耐摩耗性・耐食性を高めるための表面処理(焼入れ・メッキなど)が行われる
主なシャフトメーカー一覧
- THK株式会社:高精度リニアシャフトやガイド軸を多数展開。
公式サイトはこちら - ミスミグループ本社:カスタマイズ可能な機械部品を短納期で供給。FA用途のシャフトも豊富。
公式サイトはこちら - オイレス工業株式会社:摺動部材やベアリングと組み合わせた高耐久シャフト製品を展開。
公式サイトはこちら - 日本精工(NSK):精密軸受のメーカーとして、回転精度を重視したシャフト設計技術を有する。
公式サイトはこちら - 片山チエン(KANA):スプロケット・カップリングと組み合わせ可能なシャフトをラインアップ。
公式サイトはこちら
メーカー比較表
メーカー | 主な特徴 | 用途分野 | 対応カスタム |
---|---|---|---|
THK | リニア・高精度ガイド軸 | FA・工作機械 | ◎(精密加工対応) |
ミスミ | カスタム寸法対応、短納期 | FA・自動化装置 | ◎(オンライン設計可) |
オイレス工業 | 摺動部・耐摩耗性重視 | 産業機械・自動車 | 〇(標準品中心) |
NSK | 高回転・高精度シャフト | 精密機器・自動化ライン | △(特注設計あり) |
KANA | スプロケット・カップリングと一体提案可 | 動力伝達・機械装置 | 〇(標準品+加工) |
シャフトの購入先・販売サイト
Q&A(よくある質問)
Q. シャフトとスピンドルの違いは?
A. 一般的なシャフトは動力伝達用の軸全般を指し、スピンドルは特に高精度回転を行う主軸を意味します。スピンドルはベアリング一体構造で高精度加工に使われます。
Q. シャフト材質の選び方は?
A. 強度が必要な場合は炭素鋼(S45Cなど)、軽量化したい場合はアルミやステンレス、腐食環境ではSUS材が選ばれます。用途とコストで選定します。
Q. 加工図面なしで注文できますか?
A. ミスミなど一部メーカーでは標準規格寸法のオンライン選定が可能です。特注寸法が必要な場合は図面提出が基本です。