
手は作業中に最もケガをしやすい部位です。
切創・熱・薬品・油など、さまざまな危険から手を守るために使用されるのが保護手袋です。
本記事では、用途別・素材別の特徴や選び方、主要メーカーをわかりやすく解説します。
保護手袋の分類
保護手袋は、作業の性質に応じて次のように分類されます。
種類 | 主な用途 | 特徴 |
---|---|---|
耐切創手袋 | 金属加工・ガラス・刃物取扱 | 高強度繊維(アラミド・HPPE)を使用 |
耐熱手袋 | 溶接・鋳造・焼成作業 | 耐熱繊維や革素材を使用し、200〜500℃に対応 |
耐油手袋 | 機械整備・工場ライン | ニトリル・PVC素材で油を通さない |
耐薬品手袋 | 化学薬品・洗浄作業 | ゴム・ネオプレン・ニトリル素材で薬液に強い |
静電気防止手袋 | 電子部品・精密機器作業 | 導電繊維を混紡し静電気を逃す |
防寒手袋 | 屋外・冷凍倉庫・冬季作業 | 断熱素材で低温環境でも快適 |
素材別の特徴
- 天然ゴム(ラテックス): 柔軟でグリップ性が高いが、油・薬品に弱い
- ニトリルゴム: 耐油・耐薬品性に優れ、機械整備や化学工場向け
- 塩化ビニル(PVC): 耐油・耐摩耗性が高く、安価でコスパ良好
- アラミド繊維(ケブラーなど): 高強度・耐切創性に優れる
- 革手袋: 溶接や建設作業など、耐熱・耐摩耗性に優れる
- ポリウレタン(PU): 軽作業や検査作業で使用。通気性・操作性に優れる
保護手袋の規格
保護手袋には安全性能を保証するための規格が定められています。
- JIS T 8112: 一般保護手袋の日本規格(耐引裂・耐摩耗など)
- EN388(欧州規格): 耐切創・耐穿刺などの性能評価
- EN407: 耐熱性手袋の性能基準
- JIS T 8117: 静電気防止手袋の性能規格
用途別おすすめ手袋
用途 | おすすめ素材 | 備考 |
---|---|---|
金属加工・組立 | 耐切創手袋(アラミド・HPPE) | 滑り止め付きタイプが人気 |
機械整備・油作業 | ニトリル手袋 | 耐油・耐摩耗性に優れる |
化学薬品取扱 | ネオプレン・PVC | 対応化学物質を確認して選定 |
溶接・熱作業 | 革手袋(牛床革・アラミド繊維) | 袖口の長いタイプが安全 |
電子機器・精密作業 | 静電気防止手袋(PUコート) | クリーンルーム対応製品もあり |
主要メーカーと特徴
ショーワグローブ(SHOWA)
国内最大手の手袋メーカー。耐油・耐薬品・耐切創などあらゆる用途に対応。
ミドリ安全
作業安全用品の総合メーカー。静電・耐熱・絶縁手袋など幅広いラインナップ。
ユニワールド
軽作業用・コーティング手袋に強み。コスパ重視の現場向けモデル多数。
アトム(ATOM)
作業・園芸・DIYまで幅広く展開。柔軟でフィット感に優れる。
マイクロフレックス(Microflex/ANSELL)
医療・化学業界でも使用される高品質ブランド。耐薬品・耐穿刺性能が高い。
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Q&A
Q. 耐切創手袋はどんな素材が安全ですか?
A. アラミド繊維(ケブラー)やHPPE素材が一般的。耐摩耗性と柔軟性のバランスが良好です。
Q. 化学薬品用手袋の選び方は?
A. 使用する薬品のSDS(安全データシート)を確認し、対応素材の手袋を選びましょう。
Q. 夏場に蒸れにくい手袋は?
A. 薄手のPUコート手袋やメッシュタイプが適しています。通気性を重視すると快適です。