フィッティング(fitting)とは、配管どうしを接続・分岐・方向転換・径変更するための継手部品です。
エア配管・油圧配管・水配管・真空配管など、あらゆる流体設備で使用されます。
この記事では、フィッティングの基本、種類、用途、材料の違い、選定ポイントをわかりやすく解説します。
フィッティングとは?
フィッティングは、配管同士や機器をつなぐ継手(ジョイント)の総称です。
エア・水・油・蒸気・ガスなど、さまざまな流体ラインで使用されます。
役割:
- 配管の接続・延長
- 方向転換(90°・45°)
- 分岐(T字)
- 径変更(異径継手)
- 装置との接続(ネジ・フランジ)
フィッティングの主な種類
① エルボ(Elbow)
配管の方向を曲げる継手。
- 90°エルボ
- 45°エルボ
② チーズ(Tee)
配管を3方向に分岐。
流量バランス調整に使用。
③ ユニオン(Union)
ナットで締め付ける着脱式の継手。
メンテナンス性が高い。
④ ニップル(Nipple)
短いネジ付きパイプ。延長や接続に使用。
⑤ カプラ(Coupler / Quick coupler)
エア工具やエア配管で使用されるワンタッチ継手。
⑥ ソケット(Socket)
配管をまっすぐ接続する継手。
⑦ 異径継手(Reducer)
配管径を変更するための継手。
⑧ フランジ(Flange)
高圧・大口径の配管接続に使用される締結方式。
材料による違い
① 黄銅(真鍮)
・エア・水配管で一般的
・加工しやすく耐食性が高い
② ステンレス(SUS304 / SUS316)
・耐食性・強度が高い
・食品・医薬・クリーン用途で使用
③ 樹脂(ナイロン・PBT・塩ビなど)
・軽量でエア配管に最適
・価格が安い
④ 鉄(鋼製継手)
・高圧・油圧配管向け
・耐久性が高い
接続方式の種類
① ネジ込み(R / G ネジ)
最も一般的な方式。
② チューブ継手(ワンタッチ)
エア配管で多用。
押し込むだけで接続可能。
③ 圧着・フレア
冷媒配管(エアコン)や油圧で使用。
④ 溶接・ろう付け
高圧・高温・大口径向け。
フィッティング選定のポイント
- 流体の種類(空気・油・水・蒸気)
- 圧力・温度条件
- 配管材質(鋼管・ステンレス・樹脂)
- 接続方式(ネジ/ワンタッチ/溶接)
- 使用環境(腐食・クリーン度)
よくあるトラブルと原因
- 水漏れ・油漏れ: ネジ締付不足・シールテープ不良
- エア漏れ: チューブの切り口不良・差し込み不足
- 腐食: 流体と材質のミスマッチ
- 破損: 過圧・過熱・振動負荷
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まとめ
フィッティングは、配管を接続・分岐・方向転換するための重要な継手部品です。
- エルボ・T・ユニオン・カプラなど多くの種類がある
- 材質は用途に応じて選ぶ(樹脂・金属・ステンレス)
- 接続方式はネジ・ワンタッチ・溶接など
- 正しい選定が漏れ防止・保全性向上につながる












