三相交流とは?単相との違い・仕組み・用途をわかりやすく解説

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三相交流(Three-phase AC)とは、工場設備や産業機械で使われる3本の交流電圧が120°ずつずれた電源方式です。

モーターや大型機器の大半は三相交流で動作しており、単相よりも効率が高く、パワーが大きく、電力の伝送も安定します。

この記事では、三相交流の仕組み、単相との違い、工場で三相が多く使われる理由をわかりやすく解説します。



三相交流(3φ)とは?

三相交流は、3本の交流電圧が120°ずつ位相をずらして進んでいる電源方式です。

工場や産業用電源で標準的に使用されており、以下の特徴を持ちます。

  • 電源電圧が3系統あるため「力が強い」
  • モーターを効率よく回転させられる
  • 電力の伝送効率が高い
  • 電流アンバランスが少ない

三相交流では一般的に以下の電圧を使用します:

  • 三相200V
  • 三相400V(海外では380–415Vが一般的)

三相交流の波形イメージ

3つの交流電圧が120°の位相差を保ちながら動くため、常に安定した電力を供給できます。

イメージ:

– 相R
– 相S(Rから120°遅れ)
– 相T(Sからさらに120°遅れ)

この仕組みにより、回転磁界が自然に生まれ、モーターをスムーズに回転させることができます。

単相交流(1φ)とは?

単相交流は、一般家庭のコンセントで使われる電源で、1本(または2本)で構成された電源方式です。

特徴:

  • 家庭用エアコン・電子レンジ・照明などが対象
  • モーターの起動力が弱い
  • 長距離の電力伝送には不向き

電圧例:

  • 単相100V(日本の家庭)
  • 単相200V(IHヒーター・エアコンなど)

三相と単相の違い

項目 三相交流(3φ) 単相交流(1φ)
電源構成 3本の相電圧(120°位相差) 1本の相電圧
用途 工場のモーター・設備 家庭用家電
起動トルク 大きい・安定 弱い・補助回路が必要
電力伝送 効率が高い 長距離伝送には不向き
設備規模 中〜大型機器 小型機器

三相交流が工場で使われる理由

① モーターが効率よく動く

三相交流では自然に回転磁界が発生し、スムーズかつ力強い回転が得られます。

② 大電力の伝送に適している

単相に比べ、同じ電力でも流れる電流が少ないため、

  • 配線が細くできる
  • 発熱が少ない
  • 電力損失が低い

③ 電圧変動が少なく安定している

3つの相が互いにバランスするため、機械が安定して動作します。

三相モーターの特徴

三相交流の最も大きな活用先は三相モーターです。

特徴:

  • 構造が簡単で故障が少ない
  • 起動トルクが大きく効率が高い
  • 制御が容易(インバータで回転数制御)



三相交流の結線方式(スター/デルタ)

① スター結線(Y結線)

  • 低始動電流
  • 電圧の1/√3 が各相にかかる

② デルタ結線(Δ結線)

  • 高出力
  • 三相モーターで一般的

スター・デルタ始動方式は、始動電流を抑えるための代表的な方式です。

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まとめ

三相交流は、工場・産業機械の標準電源として広く利用されています。

  • 3つの相が120°ずれた交流で構成
  • 回転機械を効率よく動かす
  • 電力伝送効率が高く安定
  • 単相より高出力で産業用途に適している

モーター制御・設備設計・制御盤理解の基礎として、三相交流の仕組みは欠かせない知識です。



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