エネルギーマネージメントシステム(EMS)とは。EMSと関連用語

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EMSと聞いて何を思い浮かべるでしょうか。

一番に思い浮かぶのは、郵便のEMS(Express Mail Service)、国際スピード郵便ではないでしょうか。

EMSと言ってもいろいろな意味があり、このページでは、EMS(Environmental Management System)・エネルギーマネージメントシステムについて解説をします。


 

目次

 

エネルギーマネージメントシステムとは

エネルギーマネージメントシステムとは、電力などのエネルギーの使用状況を可視化・見える化して分析、削減できる無駄なエネルギーを見つけ出して、使用料削減に繋げる管理システムのことを指します。

エネルギーマネージメントシステムを英語にするとEnvironmental Management Systemとなり、その頭文字をとってEMS(エーエムエス)と略して呼ばれます。

エネルギーマネージメントシステム(EMS)の仕組み

エネルギーマネージメントシステムは、メーカーによっても異なりますが、基本的には下記の3つのフェーズがあります。

  1. エネルギー使用状況の見える化
  2. 使用状況の分析
  3. 無駄なエネルギーの削減

1.エネルギー使用状況の見える化

エネルギーの使用状況は、電力会社やガス会社など、エネルギー供給者からの明細を確認することで把握はできます。

EMSを活用することでもっと細かいどの時間帯にどんな設備でどのくらいのエネルギーを使用しているのか詳しく把握することができます。

それらをこと細かに見えるかすることによって分析するための基礎情報を収集することができます。

2.使用状況の分析

エネルギーの使用状況の見える化ができたら、次は分析です。

エネルギーの使用に無駄がないか、ピーク電力はどの時期にあり、その改善は可能か不可能かなど、トータルで改善点の洗い出しを行います。

ここまでがエネルギーマネージメントシステム(EMS)の主な役割となります。

3.無駄なエネルギーの削減

分析により無駄なエネルギーがわかったら、次は無駄を無くす作業です。

エネルギーマネージメントシステム(EMS)で割り出した無駄なエネルギーを削減します。

このとこの時、無駄なエネルギーの削減を行わないとエネルギーマネージメントシステムを導入した意味もなくなってしまいます。

エネルギーマネージメントシステム(EMS)導入の目的

エネルギーマネージメントシステムの目的には導入企業により様々ですが、大まかに下記の3つの目的があります。

  1. 事業の効率化
  2. 環境への貢献
  3. 地域への貢献とリスク管理

1.事業の効率化

  • パフォーマンスの高い経営
  • 無駄の排除による経費の削減

2.環境への貢献

  • 余分な電気使用を削減
  • エアコンの出力抑制による電気使用量削減

3.地域への貢献とリスク管理

  • CSR・BCP
  • 災害時に太陽光で電源供給を行う等の地域貢献としての会社の取り組み

エネルギーマネージメントシステム(EMS)の種類

エネルギーマネージメントシステムには、対象の設備や企業か家庭を対象としているかで呼ばれ方が異なります。

ここでは、主なEMSの種類について解説します。

FEMS(Factory Energy Management System)

FEMSとは、Factory Energy Management Systemの略称で、フェムスと呼びます。

工場の設備や機械を対象としたエネルギーマネージメントシステムのことを指します。

BEMS(Building Energy Management System)

BEMSとは、Building Energy Management Systemの略称で、ベムスと呼びます。

ビルなどの建物や設備を対象としたエネルギーマネージメントシステムのことを指します。

CEMS(Community Energy Management System)

CEMSとは、Community Factory Energy Management Systemの略称で、セムスと呼びます。

特定地域内を対象としたエネルギーマネージメントシステムのことを指します。

HEMS(Home Energy Management System)

HEMSとは、Home Energy Management Systemの略称で、ヘムスと呼びます。

一般家庭を対象としたエネルギーマネージメントシステムのことを指します。太陽光発電による売電等に使用されるケースが多くあります。

MEMS(Mansion Energy Management System)

MEMSとは、Mansion Energy Management Systemの略称で、メムスと呼びます。

マンションを対象にしたエネルギーマネージメントシステムのことを指します。

混同されやすいその他のEMS

エネルギーマネージメントシステム(ISO/DIS 50001)

エネルギーマネージメントシステム(Energy Management System)は、上記で述べたEMSと全く同じ英語、略称となり混同されやすい用語です。

略称は、EnMSと表記されます。※環境マネージメントシステムと混同を避けるため。

ISO/DIS 50001として国際規格化されたエネルギー管理体系のことで、システムのことを指すのではありません。

エネルギー使用に関して、方針・目的・目標を設定し、計画を立て、手順を決めて管理する活動を体系的に実施できるようにした仕組み

ISO/DIS 50001|Wikipedia

環境マネジメントシステム(ISO14000シリーズ)

環境マネージメントシステム(Environmental Management System/EMS)は、ISO 14000シリーズで定められた、環境に配慮した取り組みや、それを実施するための計画・体制・プロセスのことです。

電子機器製造サービス(EMS)

電子機器製造サービス(Electronics Manufacturing Service/EMS)は、電子機器の製造請負を専業とする企業のことを指します。エレクトロニクス・マニュファクチャリング・サービス。

EMS (エムス/ヨーロッパ通貨制度)

ヨーロッパ通貨制度(European Monetary System/EMS/エムス)も同じようにEMSと略します。

読み方はEMS(イーエムエス)とは違い、EMS(エムス)と呼ばれます。

国際スピード郵便(EMS)

国際スピード郵便(Express Mail Service)も同じようにEMSと略称で呼ばれます。

海外郵便の一種のことを指します。

まとめ

いかがでしたでしょうか。エネルギーマネージメントシステムは、エネルギー使用量を下げる要素を見つける役割があります。

電力料金やガス料金など、企業に属する方で、どうにか対策をしなければいけない方は、一度検討してみてはいかがでしょうか。



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