歯車設計において必ず登場する用語がピッチ円です。
歯車の大きさ・回転比・周速・バックラッシ計算など、ほぼすべての設計基準はピッチ円を基準に決まります。
この記事では、ピッチ円の意味、他の円(歯先円・歯底円)との違い、設計や現場での重要性をわかりやすく解説します。
ピッチ円とは?
ピッチ円とは、
歯車が転がり接触すると仮定したときに、互いに接触して回転する仮想的な円
です。
実際に描かれている円ではなく、歯車設計上の基準円として定義されます。
なぜピッチ円が重要なのか?
- 歯車の回転比はピッチ円直径で決まる
- 歯車の周速度計算に使用される
- バックラッシ・歯形設計の基準
- 中心距離の算出に必須
つまり、ピッチ円を理解しないと歯車設計はできません。
ピッチ円と他の円の違い
| 名称 | 意味 |
|---|---|
| ピッチ円 | 転がり接触を仮定した基準円 |
| 歯先円 | 歯先の最外周 |
| 歯底円 | 歯底の最内周 |
| 基礎円 | インボリュート歯形生成の基準円 |
ピッチ円直径の求め方
ピッチ円直径は、次の式で求められます。
ピッチ円直径 = モジュール × 歯数
例:
モジュール m = 2、歯数 Z = 20
→ ピッチ円直径 = 40 mm
ピッチ円と回転比の関係
歯車の回転比は、ピッチ円直径の比で決まります。
- 大きいピッチ円 → 低回転・高トルク
- 小さいピッチ円 → 高回転・低トルク
ピッチ円とバックラッシの関係
バックラッシは、基本的にピッチ円上で定義されます。
- ピッチ円上の歯間すきま
- 過大 → 異音・衝撃
- 過小 → 焼付き・噛込み
現場での注意点
- 歯先円径=歯車径ではない
- 中心距離はピッチ円基準で決める
- 摩耗が進むと実質的なピッチ円が変化する
関連記事
関連書籍
まとめ
ピッチ円は、歯車設計のすべての基準となる重要な概念です。
- 回転比・中心距離・周速の基準
- 歯形設計とバックラッシ管理の要
- 歯車を理解する第一歩
ピッチ円を正しく理解することで、歯車トラブルの多くは防ぐことができます。












