イモネジとは、セットボルトやホーローセットなどとも呼ばれる機械要素部品で、部品の締結に用いられるボルト・ビス・ネジの種類のことです。
このぺーじでは、イモネジについて用途や先の形状の種類、頭の種類について解説します。
イモネジとは
イモネジとは、機械部品の締結や位置決めに使用されるネジの一種のことで、イモネジの他にホーローセットや止めネジなどと呼ばれています。
頭形状は六角やすり割りなどがあり、先端形状も平先やくぼみ先などと固定する部品によって多種多様な種類があります。
イモネジの用途
イモネジの用途は、何かを固定することです。スプロケットやプーリーなどを軸に固定する場合や、ハンドルを何かに固定する場合など、たくさんの箇所で使用されています。
用途例1:スプロケットのキー
スプロケットやプーリーやその他の回転物とシャフトのキーが抜けないように、ブレないようにするためにイモネジは用いられます。
用途例2:ブッシュの回り止め
ブッシュやカラーなどの回り止めとしてもイモネジは使用されます。
イモネジの頭形状
イモネジには、いくつかの頭の種類があります。
六角穴付き
六角穴が付いたタイプのイモネジです。締付には、六角棒レンチを使用します。
十字穴付き
十字穴が付いたタイプのイモネジです。締付には、プラスドライバーを使用します。
すり割り付き
マイナス(-)形状のすり割りが付いたタイプのセットボルトです。締付には、マイナスドライバーを使用します。
トルクス
6つの角が出た星型の穴が付いたタイプのセットボルトです。締付には、トルクスドライバーやトルクスレンチなど、トルクス専用の工具を使用します。
イモネジの先端形状と使用箇所、用途
イモネジには、使用する箇所や使い方によって先端形状がたくさんあります。
平先
平先のイモネジは、繰り返し使用する箇所や、固定する対象ワークを傷つけたくない場合に使用します。
とがり先
とがり先のイモネジは、直接ワークに食い込ませて固定をするため、半永久的に固定したい箇所や、緩んでほしくない箇所で使用します。
棒先
棒先のイモネジは、固定したいワークに穴をあけたり、隙間がある場合に使用します。先端の棒を利用してキーの代わりにすることもあります。
丸先
丸先のイモネジは、固定したい対象ワークが平らではない場合に使用します。
くぼみ先
くぼみ先のイモネジは、先端がくぼんでいるタイプのオーソドックスな先端形状です。通常、ホーローセットというとこのくぼみ先のことを指します。
イモネジのその他の呼ばれ方
日本語(イモネジの別名)
- 止めねじ
- 留めネジ
- ホーローセット
- セットボルト
- セットスクリュー
- 芋ねじ
- 押しねじ
- 虫ねじ
- イモビス
- セットビス
- セットネジ
など
英語
- Hollow set screw(イモネジ)
- Hexagon socket set screw(六角穴付きイモネジ)
- Hex socket set screw(ヘックス穴付きイモネジ)
呼び径・材質を含めた呼び方
材質(メッキ)+先の形状+呼び方+太さ×全長
例1
- ステンレス
- 平先
- 六角穴付き止めねじ
- 径:M6
- 全長:10mm
ステンレス 平先 六角穴付き止めねじ M6×10
例2
- 黒染め
- とがり先(その他、くぼみ先なども有)
- セットボルト
- 径:M10
- 首下15mm
黒 とがり先 セットボルト M10×15
※黒染めが一般的な材質であるため、黒(黒染め)を省略されて呼ばれるケースがあります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。イモネジは、機械要素部品の中では黒子のような存在です。
それでもたくさんの種類があり、なくてはならない部品の1つです。
イモネジを正しく理解して、適した場所で適した使い方をしていただけると嬉しいです。