ネジやボルトには、たくさんの頭の形状があります。そんなネジやボルトですが、用途や使用環境に合わせて適した頭の形状を選ぶことが求められます。
このページでは、ネジやボルトの頭の形状について、どんな種類があるのかを解説します。
はじめに
ねじやボルトの頭部の形状には、どのような形の他に、どのように締め付けるかによって頭部の穴の形状もたくさんの種類があります。
このページでは、穴の形状に関係なく、頭部の形状の種類について解説していきます。
ネジ・ボルトの頭部形状
なべ(鍋)頭
なべ頭は、もっとも一般的なネジの頭の形状です。お鍋をひっくり返したような形からナベ頭と呼ばれるようになったようです。
ネジやボルトの種類では、ナベ小ねじ(十字穴付き小ねじ)があります。
多くの場合、ナベ小ねじのように十字穴が付いていることが多く、十字穴に加えてマイナス穴が加えられているケースもあります。
一方で、六角穴が付いている鍋ねじはなく、似たような形状で丸頭の六角穴付き、丸キャップボルトがあります。
トラス頭
トラス頭は、ナベ頭に比べて頭の高さが低く、頭部の径が大きい形状の種類です。
ナベ頭に比べて、トラス頭は締結面積が広いため、ワッシャー等を使わなくてもバカ穴や長穴の開いたワークの締め付けができます。
強度や結束力は、ナベ頭とあまり大差がありません。
バインド頭
バインド頭は、ナベ頭とトラス頭の間のような大きさの頭の形状の種類です。
頭の径は、ナベ頭より大きく、トラス頭よりも小さくなっています。
バインドとは英語で「縁」の意味があるのですが、トラス頭に比べて縁があるように全体に厚みがあります。
強度や結束力は、ナベ頭やトラス頭とあまり大差がありません。
六角頭
六角頭は、もっとも一般なボルトの頭の形状です。その名の通り、頭部が六角形状になっており、スパナやモンキーレンチなどで締め付けを行います。
ボルトの種類では、六角ボルトがありますが、六角の上に十字穴があるタイプやマイナス穴があるタイプもあります。
ねじ部の種類もたくさんあり、ミリねじやユニファイねじのボルトや、タッピングビスなどでも六角頭のねじもあります。
四角頭
四角頭は、六角頭の六角部分が四角になった頭の形状の種類です。
四角であるため角が取れにくく、強い力で締め付ける必要がある建築資材の鉄骨等の締め付けに使用されます。
皿頭
皿頭は、お皿のような頭の形状の種類です。お皿のような形から皿頭と呼ばれるようになったようです。
ネジやボルトの種類では、皿ネジをはじめ、六角穴が付いた皿キャップボルトなどがあります。
ナベ小ねじや六角ボルトなど、多くのねじやボルトでは、頭の下部分「首下」の長さで呼び寸法が決まるにに対して、皿ネジなど皿頭のネジやボルトは、全長によって呼び寸法が決まります。
結束したい対象ワークに皿形状のザグリ穴「皿ザグリ」を開けることで、頭が飛び出さないように物の設計をすることができます。
丸皿頭
丸皿頭は、皿頭の上面が少しだけ丸みをおびたような頭の形状の種類です。
小ねじに多く使われる種類で、皿頭と同じように「皿ザグリ」を開けた結束物に使用されます。
皿頭の場合は、ワークに少しの凹みができてしまうため、何かを滑らせたい場合など、凹みを無くすことで効果が得られる箇所で使用されます。
キャップ頭
キャップ頭は、円筒形状の頭の種類です。穴の形状は六角穴となり、六角穴付きボルトの一般的な形状となります。
頭の横面には、ローレットのような筋が付いています。
高トルクで締め付ける必要がある箇所など、機械要素部品や金型用のボルトとして幅広く使用されています。
丸キャップ頭
丸キャップ頭は、キャップ頭に丸みを持たせたタイプの頭の形状の種類です。
一見、なべ頭と同じような形状をしていますが、ナベ頭は十字穴などとなり、丸キャップ頭は六角穴となります。
丸みの形状もナベ頭やトラス頭などとは若干異なります。
低頭
低頭は、頭の高さが薄い形状の種類です。低頭よりももっと薄い極低頭タイプもあります。
頭の部分が低く薄いため、頭が入るスペースがない機械部品の結束などで使用されます。
低頭のボルトでは、低頭キャップボルトが一般的ですが、低頭六角ボルトや低頭四角ボルトなど、たくさんの種類の形状の低頭があります。
まとめ
いかがでしたでしょうか。ネジやボルトにはたくさんの頭の形状があります。
用途や使用箇所によって適した頭の形状がありますので、参考にあればうれしいです。
頭の形だけでなく、頭に開いた穴の種類を掛け合わせるともっともっと種類が多くなりますので、その他のページも参考にしてみてください。