自動給油装置とは?仕組み・利点・選定ポイントをわかりやすく解説

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自動給油装置(Automatic lubricator)は、ベアリングやギア、チェーンなどに必要な量のグリース・オイルを自動で供給する装置です。

潤滑不足は、摩耗・焼付き・異音・寿命低下など多くのトラブルの原因になるため、製造現場では自動給油の重要性が高まっています。

この記事では、自動給油装置の仕組み、メリット、種類、選定ポイントをわかりやすく解説します。



自動給油装置とは?

自動給油装置は、機械の可動部に適量の潤滑剤を一定周期で自動供給する装置です。

役割:

  • 摩擦・摩耗の低減
  • ベアリングの寿命延長
  • 潤滑ムラの防止
  • メンテナンス作業の削減
  • 設備停止リスクの低減

自動給油装置の仕組み

自動給油装置は、内部にある圧力発生ユニットがグリースまたはオイルを押し出し、配管を通して給油点に供給します。

代表的な作動方式:

① ばね式

内部バネの力でグリースを押し出す方式。

  • 構造がシンプル
  • 安価
  • ベアリングに多用

② ガス式(電池不要)

化学反応によってガス圧を発生させ、一定速度で排出。

  • 安定した定量吐出
  • 屋外・高所でも使用可

③ 電動式(モーター駆動)

小型モーターでグリースを押し出す高精度タイプ。

  • 吐出量をプログラム設定可能
  • 複数点給油にも対応

④ 集中給油方式(ポンプユニット)

1台のポンプで複数の給油点をまとめて供給する方式。

  • 大型設備・ロボット・搬送装置向け
  • メンテナンス効率が大幅向上



自動給油装置のメリット

  • 潤滑不足による故障を防止
  • 作業者の手間を削減(高所・危険個所の給油が不要)
  • 設備稼働率の向上
  • 給油量を一定に保てる
  • 過給油による発熱・エネルギーロスを防止

適用例(現場でよく使われる場所)

  • モーター・ファン・ブロワのベアリング
  • コンベヤローラ
  • 工作機械の摺動面
  • 搬送装置のチェーン
  • 産業ロボット可動部
  • 冷却塔ファン軸受

選定ポイント

① 給油点の種類(グリース or オイル)

ベアリング → グリース

ギア・チェーン → オイルが多い

② 必要な給油量の計算

  • 使用温度
  • 回転数
  • 軸受サイズ

によって必要量が変わる。

③ 給油周期

1ヶ月〜12ヶ月などから設定。

④ 設置場所(屋外・高温・防爆)

  • 屋外 → 防水タイプ
  • 高温 → ~70℃対応品
  • 防爆 → EX仕様が必要

⑤ 給油点の数

  • 1点 → 単点式
  • 複数 → 集中給油方式が最適

よくあるトラブルと対策

  • 給油不足: 設定期間が長すぎる、詰まり
  • グリース固化: 高温環境、油種不適合
  • 漏れ: Oリング劣化、過圧
  • 配管詰まり: 長配管・曲げ過多

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まとめ

自動給油装置は、設備の信頼性を高める重要な保全ツールです。

  • 適量の潤滑を自動供給し、摩耗・焼付きのリスクを低減
  • ばね式・ガス式・電動式・集中方式など種類がある
  • 給油量・周期・設置環境を考慮して選定する
  • ベアリング寿命延長・保全作業削減に大きく貢献



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